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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル40巻5号

2006年05月発行

文献概要

報告

医療・福祉領域で勤務するリハビリテーション関連職種間の連携に関する認識度の差異

著者: 岩井信彦1 細田佳代2 青柳陽一郎3

所属機関: 1神戸学院大学総合リハビリテーション学部 2赤穂中央病院リハビリテーション部 3川崎医科大学リハビリテーション医学

ページ範囲:P.399 - P.403

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はじめに

 要介護状態にある高齢者の在宅生活を支援する目的で,医療・福祉領域で勤務する種々のリハビリテーション関連職種が自立支援に向けたサービスを提供している.その際,より効果的な帰結を得るためには,関連職種が共通の目的を持ち,連携をとりながら継続的にかつ包括的にサービスを提供することが必要と考えられる.

 「高齢者リハビリテーション研究会」1)の報告によると,サービスが切れ目なく包括的に提供されるためには,情報交換や連携などのチームアプローチが不可欠であるとしている.また近藤2)は,医療機関から在宅への移行期においてサービス提供上の連携に不都合な面が多々見られることを指摘し,連携の重要性を説いている.看護師や理学療法士は患者が退院するとき,同職種に対しては添書や紹介状を送り患者の情報を提供している.しかし,寺山3)も指摘しているように異職種間の情報交換となると適切に行われているとはいいがたいのが実状である.

 今回,医療機関のリハビリテーション(以下,リハ)スタッフから居宅介護支援事業所や在宅サービス事業所などの地域ケアに関与しているスタッフへの情報提供の実態について調査を行い,その内容,特に両者間の連携に関する認識度の差異を中心に考察を加えたので報告する.

参考文献

1)高齢者リハビリテーション研究会:高齢者リハビリテーションのあるべき方向,pp65-66,厚生労働省老健局,2004
2)近藤健二:訪問リハビリテーションにおける理学療法.PTジャーナル37:943-949,2003
3)寺山久美子:リハビリテーションにおける諸分野の連携.総合リハ31:31-37,2003
4)澤村誠志:障害者が地域社会で積極的に生活するため地域リハの連携,強化を.GPネット50:22-25,2003
5)兵庫県立総合リハビリテーションセンター:チームアプローチによる総合的リハビリテーション,三輪書店,2000
6)金指 巌:ケアマネージメントとリハビリテーションスタッフ.PTジャーナル36:149-154,2002
7)金谷さとみ:地域における生活機能向上のための理学療法.PTジャーナル38:529-535,2004
8)石鍋圭子:リハビリテーションケアにおける「連携」教育の課題.Quality Nursing 9:929-932,2003
9)石鍋圭子:「連携」教育の発展に向けて―チームアプローチを実現させるためのリハビリテーション教育―.Quality Nursing 9:928,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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