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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル40巻6号

2006年06月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

Functional Balance Scale

著者: 淺井仁1

所属機関: 1金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻リハビリテーション科学領域

ページ範囲:P.459 - P.459

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 Functional Balance Scaleは,一般的にはBerg Balance Scale(以下,BBS)を指す.これは,Berg Kらによって1989年に報告された14項目(表)からなる総合的なバランス能力評価バッテリーである1).その内容には座位および立位での姿勢保持,立ち上がり動作,片脚立ち,移乗動作,および方向転換などが含まれる.評価は各項目ともに0~4点の5段階であり,満点は56点となる.

 このBBSの開発には次に記すいくつかの背景があった.①日常生活活動を効果的かつ効率的に行うためには機能的なバランス能力が要求される.この能力は,様々な肢位を保つ能力,身体および体節の随意的な変化に応じて姿勢反応を自動的に行う能力,および外乱刺激に反応する能力の3つに分けられる.これらの能力が低下すると転倒の危険性が高まるに違いない.②バランス能力が低下している高齢者に対してエクササイズを行うが,これによってバランス能力がどの程度改善したか,および転倒の抑制にどの程度貢献したかを測定するための適切な尺度がない.③従来の測定法は,高齢者に用いるための条件,評価者の立場に立った条件,測定法としての条件(妥当性,信頼性,反応性)などを満たしていない.④従来の測定法は,内容の妥当性についての検討が主であり,被験者の変化に対する反応も不十分であった.また,基礎的な研究結果に基づく知見などが,評価法に包括的に組み込まれていない.⑤実験室で行われる測定項目が日常生活の中でのバランス能力を反映するとは言えない.

参考文献

1)Berg K, et al:Measuring balance in the elderly:preliminary development of an instrument. Physiotherapy Canada 41:304-311, 1989
2)Berg K, et al:Clinical and laboratory measures of postural balance in an elderly population. Arch Phys Med Rehabil 73:1073-1080, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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