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整形外科疾患における日本語版Rivermead Mobility Indexの信頼性と妥当性について
著者: 小山淳司1 森安真1 前島伸一郎2
所属機関: 1川崎医科大学附属川崎病院リハビリテーション科 2川崎医療福祉大学医療技術学部
ページ範囲:P.487 - P.490
文献購入ページに移動移乗や移動動作を行うために必要な能力は,疾患により多少の差はあるものの,Mobility(移乗・移動能力)として客観的に共通の指標で評価することは患者に対して必要な介助量を決める上でも大切である.Mobilityは,これまで報告されてきた数多くの日常生活活動(ADL)スケールに含まれるが,それらの多くは歩行や移乗について2,3の項目を捉えているに過ぎない.Rivermead Mobility Index(以下,RMI)は,1991年にCollen FMら1)によって,移乗や移動に焦点を当てた評価法として開発され,イギリスをはじめドイツ2),イタリア3)など欧米諸国で報告されている.本評価はベッド上での「寝返り」から「走る」までの15項目(14項目の質問と1項目の行動観察)によって構成されている.この際,人的介助がなく自立していることが大切であり,「できること」ではなく「していること」を評価する.これまで脳血管障害をはじめとする神経疾患患者に対してしばしば用いられており,その妥当性や信頼性については先行研究により報告されている1~5).
筆者らは日本語版RMIを作成し,脳血管障害患者でその有用性を検討した6).一方,移乗や移動に焦点を当てた本評価法は整形外科疾患に対しても有用と思われるが,その信頼性と妥当性については明らかにされていない.そこで本研究では整形外科疾患患者に対する日本語版RMIの有用性を明らかにするために信頼性と妥当性について検証することを目的とした.
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