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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル40巻6号

2006年06月発行

文献概要

短報

ラットヒラメ筋の廃用性萎縮予防に及ぼす短時間荷重の効果

著者: 山崎俊明1 中平洋二2 立野勝彦1

所属機関: 1金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻 2馬場記念病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.491 - P.493

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はじめに

 理学療法では,臥床による悪影響を最小限にするため,可能な範囲での早期離床を促す.特に,下肢筋の体重を支える機能は,非荷重により急激に低下する1)ことから,立位保持や歩行練習は有用な対策と考えられ実施されている.その効果を考えると,荷重しないことによる廃用性の筋萎縮には,より長時間の下肢荷重が有効である2)が,実際の臨床では適応困難な場面が多い.そこで,筆者らは臨床応用が可能な1日1時間の荷重を採用し,動物実験で筋萎縮抑制効果を検証してきた3,4).その結果,完全な萎縮予防はできないが,進行抑制が可能であり,荷重頻度や開始時期などが重要な規定因子であった.

 本研究では,1日1時間以内の荷重(短時間荷重)の効果を調べた.具体的には,ラットヒラメ筋の廃用性萎縮に対し,1日20分,40分および60分の荷重を実施し,筋萎縮予防に及ぼす効果を筋形態および機能の両面から検討した.

参考文献

1)Brown M, et al:Weight-bearing effects on skeletal muscle during and after simulated bed rest. Arch Phys Med Rehabil 76:541-546, 1995
2)Someya F, et al:Effects of various daily weight-bearing periods on rat soleus muscle during hindlimb suspension. Histochemical and mechanical properties. Jpn J Rehabil Med 34:410-417, 1997
3)山崎俊明,他:総荷重時間規定下における荷重開始時期の相違がラットヒラメ筋の廃用性萎縮に及ぼす影響.PTジャーナル38:1061-1065,2004
4)Yamazaki T:Effects of intermittent weight-bearing and clenbuterol on disuse atrophy of rat hindlimb muscles. J Jpn Phys Ther Assoc 8:9-20, 2005
5)Riley DA, et al:Rat hindlimb unloading. Soleus histochemistry, ultrastructure, and electromyography. J Appl Physiol 69:58-66, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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