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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル40巻8号

2006年08月発行

文献概要

特集 歩行練習

パーキンソン病患者の歩行練習に対する基本戦略

著者: 桐山希一1 武田真帆2 中村孝志2

所属機関: 1帝京科学大学新学部設置準備室 2札幌山の上病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.629 - P.633

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はじめに

 パーキンソン病(Parkinson's disease;以下,PD)の歩行障害には,特徴的な症状としてすくみ足や小刻み歩行,突進現象が挙げられる.PD患者へのリハビリテーションでは,歩行能力や日常生活動作の改善に対して効果が示されている1).とくに小刻み歩行に対しては外的なリズム刺激が歩幅の拡大に有効であることが知られている.

 PDに特異的な四大徴候である筋固縮,振戦,寡動,そして姿勢反射障害に着目すると,それらの現れ方や相互関係は患者によって異なっている.注意・判断といった高次脳機能障害,あるいはうつ症状や抗パーキンソン病薬の副作用である幻覚・幻視などの精神症状もPDのリハビリテーションでは問題となりやすい.さらに,起立性低血圧に代表される自律神経系機能の障害や前屈姿勢および呼吸筋の固縮により,呼吸・循環障害も併発しやすい.したがって,運動療法の効果を最大とするためには,個別の病態を踏まえた上で治療プログラムを作成する必要がある.

 本稿では,臨床におけるPDの治療場面から,とくに歩行障害に対して理学療法を実施する上で考慮すべき点をまとめた.

参考文献

1)真野行生,他・日本神経学会(監修):第19章リハビリテーション,パーキンソン病治療ガイドライン マスターエディション,pp281-288,医学書院,2003
2)高草木 薫:大脳基底核の機能 パーキンソン病との関連において.日生誌65:113-129,2003
3)Morris ME:Movement disorders in people with Parkinson disease:a model for physical therapy. Phys Ther 80:578-597, 2000
4)林 明人,他:パーキンソン病における歩行とリズム 音リズム刺激の臨床応用.総合リハ32:847-851,2004
5)Hanakawa T, et al.:Enhanced lateral premotor activity during paradoxical gait in Parkinson's disease. Ann Neurol 45:329-336, 1999
6)Plotnik M, et al:Is freezing of gait in Parkinson's disease related to asymmetric motor function? Ann Neurol 57:656-663, 2005
7)笠原敏史,他:端座位における体幹伸展運動の分析 脊柱と骨盤に着目して.北海道理学療法16:45-48,1999
8)中馬孝容,他:携帯型機器による歩行訓練.総合リハ30:1219-1223,2002
9)立花久大:認知機能障害.Modern Physician 25:972-974,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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