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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル40巻8号

2006年08月発行

文献概要

初めての学会発表

多くを学んだ初学会

著者: 鮎川将之1

所属機関: 1山梨温泉病院

ページ範囲:P.662 - P.663

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 2006年5月25日~27日に群馬県前橋市にて,第41回日本理学療法学術大会が開催されました.今年3月に大学を卒業し,4月から入職した私には,やることなすことすべてが初体験の日々が続いています.そんな中でも今大会でのポスター発表は,特に貴重な体験になりました.

学会参加へのきっかけ

 発表のきっかけは,大学の卒業研究をする際に指導教官から,「審査に通れば卒業研究を学会で発表できる」と聞いたことから始まりました.正直最初は「なんだ,卒業論文と学会発表が同時に済ませられるのなら手っ取り早い」と軽い気持ちで考えていました.そんなことで卒業研究にとりかかったわけですが,臨床実習の体験から腹横筋に着目しようと決めてはいたものの,いざ腹横筋の研究といっても,いったいどのようにして行おうか? と実験デザインに悩む日々が続きました.できるのならば臨床につなげたい.そんなことも考えながら腹横筋に関する文献を調べ,担当の先生とも相談しながら実験デザインを考えていきました.そして,共同演者でもあった仲間とプレ実験を重ね,本実験へと移行することができました.しかし,本当の戦いはそこからでした….実験が終わると,次は被験者全員分の実験結果をデータ処理し,文献などを参考にしつつ,自分の考えも含めながら考察し,考えがまとまったら抄録を作成,ポスター発表用にパワーポイントで明瞭簡潔にまとめるなど,実験が終わってからも作業は山のようにありました.途中,何度も立ち止まり,考えては進んで,時には戻るといった展開で,時間はどんどん過ぎていきました.自分の中では,研究をすることに対して甘く見ていたつもりはなかったのですが,実際に自分が考え実践してみると,それは予想以上に大変な作業であり,考えれば考えるほど難しいものでした.しかし一方で,1つのことに関して自分なりに一生懸命調べ,考えることでどんどん自分の考えが深まっていき,新たなことに気づく楽しさも覚えました.そんな経験もあってか,自分でも知らぬうちに徐々に学会発表への心構えが変化していき,抄録の提出期限が近づく頃には,当初は一石二鳥のような考えから学会発表をしようと思っていたのが,いつしか自分の研究を発表したい,より良くするために,新たな気づきを得るために,他の先生方にも聞いてもらい,意見をいただきたいと思うようになっていました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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