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文献抄録
脳卒中発作後における動的バランス課題による運動学習:脳卒中リハビリテーションに対する潜在的影響
著者: 山下浩樹1
所属機関: 1いわてリハビリテーションセンター
ページ範囲:P.707 - P.707
文献購入ページに移動 背景と目的:運動学習を行う際,その動作に対する過剰な情報があることが逆にパフォーマンス低下を引き起こすことがある.例えば脳卒中患者は,意識を過剰に働かせ,自らの運動課題を達成しようとするが,逆に課題が達成できないという事態が起こりがちである.このようなことから,運動課題を成功させようとする明白な意識の発生を最小化させる学習戦略(潜在的学習戦略)を用いることによって,よいパフォーマンスを発揮できる可能性が考えられた.そこで本研究では,脳卒中発症後の動的バランス課題の潜在的学習効果について,2つの運動戦略(無誤学習と発見学習)のうち1つを用いて調査することを目的とした.
被験者と方法:10名の脳卒中患者(年齢52.17±11.27歳,顔面・上肢・下肢の3領域のうち2領域以上,感覚障害または運動障害を持つ者)と,対照群として健常者12名(年齢65.25±7.48歳)を被験者とした.さらに脳卒中患者と健常者それぞれを顕在的運動学習群(動的バランス課題実行中に水平位置を保つ方法を考えながら課題を実行する)と潜在的運動学習群に分け,「電子式傾斜角度記録機能付のシーソー様バランスボード」上での動的バランス課題(なるべく水平な位置に保つ)を行った.バランスの評価は,バランスボードの水平位置からずれた角度の標準偏差を用い,その結果から各群を比較検討した.
被験者と方法:10名の脳卒中患者(年齢52.17±11.27歳,顔面・上肢・下肢の3領域のうち2領域以上,感覚障害または運動障害を持つ者)と,対照群として健常者12名(年齢65.25±7.48歳)を被験者とした.さらに脳卒中患者と健常者それぞれを顕在的運動学習群(動的バランス課題実行中に水平位置を保つ方法を考えながら課題を実行する)と潜在的運動学習群に分け,「電子式傾斜角度記録機能付のシーソー様バランスボード」上での動的バランス課題(なるべく水平な位置に保つ)を行った.バランスの評価は,バランスボードの水平位置からずれた角度の標準偏差を用い,その結果から各群を比較検討した.
参考文献
Orrell AJ, et al:Motor learning of a dynamic balancing task after stroke:Implicit implications for stroke rehabilitation. Phys Ther 86:369-380, 2006
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