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特集 理学療法と連携
地域在宅におけるリハビリテーション連携の現状と課題
著者: 隆島研吾1 井上早苗2 岩田直美2
所属機関: 1神奈川県立保健福祉大学リハビリテーション学科理学療法学専攻 2川崎市れいんぼう川崎在宅支援室
ページ範囲:P.743 - P.750
文献購入ページに移動2000年4月に介護保険制度が導入され,従来の社会福祉制度方式から社会保険方式への大幅な転換が行われた.また,2006年度から導入された障害者自立支援法は,それまで別々であった3つの障害(身体障害,知的障害,精神障害)を1つにしてサービスを一元化することとなった.
障害者自立支援法のポイントとして厚生労働省は以下の項目を挙げている1).
①障害の種別(身体障害・知的障害・精神障害)にかかわらず,障害のある人々が必要とするサービスを利用できるよう,サービスを利用するための仕組みを一元化し,施設・事業を再編.
②障害のある人々に,身近な市町村が責任をもって一元的にサービスを提供.
③サービスを利用する人々もサービスの利用量と所得に応じた負担を行うとともに,国と地方自治体が責任をもって費用負担を行うことをルール化して財源を確保し,必要なサービスを計画的に充実.
④就労支援を抜本的に強化.
⑤支給決定の仕組みを透明化,明確化.
また,本制度の介護給付については,介護保険制度と同様に,市町村による認定審査会を経て6段階に区分した上で,サービス支給を調整することとなっている1)(図1,2).
一方,リハビリテーション(以下,リハ)は本来急性期から回復期を経て在宅生活の定着,社会参加に至るまで,連続的・計画的なものである.図3はリハの流れや目的に沿って,現在整備されつつあるサービス提供機関をまとめたものである.このように整理してみると,リハの流れや各制度,チーム編成などが時間経過とともに変化し,特に地域をベースとした場合の医療・保健・福祉の連携は複雑になってくることがわかる.また,サービス提供を行う各事業所は,多くの場合経営する法人などが別々であり,情報の共有化,ゴールの共有化,医療情報の伝達などの連続性も不十分になりがちである.
本稿では,地域・在宅におけるリハ連携について,ご本人の承諾を得たうえで川崎市の在宅リハサービスを利用された方を例として,その現状と課題について述べる.
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