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入門講座 ベッドサイドでの患者評価 3
脳血管障害・脳外傷
著者: 大塚功1 熊崎博司1 奥田真央1 鵜飼正二1
所属機関: 1相澤病院総合リハビリテーションセンター
ページ範囲:P.763 - P.773
文献購入ページに移動脳血管障害や脳外傷(以下,脳卒中)患者に対する理学療法(以下,PT)は,急性期から回復期,そして在宅リハビリテーション(以下,リハビリ)にいたる幅広いステージで,多くの理学療法士が経験する代表的なリハビリの1つといえる.近年,脳卒中に限らず,PT介入のタイミングは急性期の中でもより早期集中型へとシフトし,入院または発症当日のベッドサイドからの介入も珍しくない.そこで実施される評価は,障害や残存能力の把握によるリハビリプログラム作成のためという側面のほかに,目的として次のような項目が挙げられる.①運動負荷を伴う評価がどこまで実施可能かを予測するための評価,②実際の運動(負荷)や動作を行い,現状の障害や残存能力を把握するための評価,③上記に基づき,経時的変化や改善を把握するために用いる,④さらに帰結予測に用いる,⑤最終評価から実施したリハビリの効果判定に用いる,⑥また,園田1)は評価法と内容に信頼性・妥当性・内的整合性があればリハビリのエビデンスを作ることにも活用できる,としている.
本稿では,理学療法士が脳卒中患者のリハビリを始めるにあたり,事前の情報収集から急性期におけるベッドサイド評価の視点,そして運動療法を行いながらその反応を注意深く評価して行くプロセスについて述べる.なお急性期のリスク管理下における評価のプロセスは,その後の全身状態が安定した回復期前期以降のリハビリや訪問リハビリにおいても,十分活用できるものと考える.
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