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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル40巻9号

2006年09月発行

文献概要

書評

―内山 靖(著)―「症候障害学序説―理学療法の臨床思考過程モデル」

著者: 冨田昌夫1

所属機関: 1藤田保健衛生大学衛生学部リハビリテーション学科

ページ範囲:P.756 - P.756

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 症候障害学? 少しいぶかる気持ちで読み始めたが,すぐに気が付いた.今私たち理学療法士に求められている最も重要な概念であると.

 2001年,WHOで採択されたICFは対象者(家族を含む)と保健・医療・福祉の専門職との共通言語として提示され,医療の共通枠組みとして優れた社会貢献型モデルであるが,各専門職が具体的な介入を実施するためにはそれぞれの領域に応じた独自の基盤モデルが必要である.ICFは障害学的視点から医学モデルの限界を示しているが,理学療法の基盤モデルでは医学モデルを削除してはならない.理学療法は,医学モデルにおける医療行為の一翼を担うとともに,障害モデルにおけるリハビリテーションの理念や思想に基づいて実施されるものである.症候学的な視点からの医学モデルを加え,理学療法の臨床思考過程モデルとして内山氏が独自に提案された概念が,この本で示された“症候障害学”であると私は理解させていただいた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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