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報告
在宅高齢者の身体機能向上と行動変容を促す体力づくりプログラムの検討―ホームエクササイズの継続を促すアプローチ
著者: 大澤諭樹彦1 籾山日出樹2 石川隆志3 津軽谷恵3 野呂佳子4
所属機関: 1秋田大学医学部保健学科理学療法学専攻 2国際医療福祉大学小田原健康医療学部理学療法学科 3秋田大学医学部保健学科作業療法学専攻 4秋田市保健所
ページ範囲:P.55 - P.59
文献購入ページに移動在宅高齢者の身体機能向上のプログラムには,グループエクササイズとホームエクササイズが組み合わされることが多いが,グループエクササイズが中心的活動とされ,ホームエクササイズは副次的なものと捉えられる傾向が強い印象を受ける.しかしながら,37回にわたる1週間に1回のグループエクササイズを施行しても,ホームエクササイズが1週間に1回では下肢筋力の向上が図られなかったとする報告1)がある.さらに,ホームエクササイズのみで身体機能の向上が図られ,グループエクササイズを付加しても効果に差のないとする報告2)や,6か月間のセラバンドを用いた1週間に3回のホームエクササイズでも,78%の高い実施率が保たれれば下肢筋力が向上することが報告3)されている.これらの報告は,グループエクササイズのみならずホームエクササイズの実施率が,身体機能向上の要因になることを示すと同時に,高齢者の行動変容を伴う運動の習慣化によってホームエクササイズの実施率を高めるアプローチが重要なことを示している.
そこで,本稿では今後の身体機能向上のプログラムに役立てていくために,われわれが行ったホームエクササイズの継続を促した体力づくりプログラムの内容と効果について検討したので報告する.
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