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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル41巻1号

2007年01月発行

文献概要

症例報告

脳卒中後,運動機能が良いにもかかわらず,階段を降りることができなかった1症例

著者: 佐藤文1 西村由香2 石橋晃仁3 吉尾雅春4 土田隆政1

所属機関: 1愛全病院リハビリテーション部 2北海道文教大学人間科学部理学療法学科 3介護老人保健施設アートヒルズ 4千里リハビリテーション病院

ページ範囲:P.61 - P.64

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はじめに

 脳損傷後,立体視障害を呈した症例は,いくつか報告されている1~3)が,理学療法に関する報告はあまりみられない.今回,左出血性脳梗塞発症後,立体視障害に類似した症状を呈し,階段昇降可能な運動機能を十分に有しているのにもかかわらず,階段を降りられなかった症例を経験した.階段の蹴上げの高さを視覚的な手がかりとして利用した降段動作練習を実施し,降段動作を獲得できたので報告する.

参考文献

1)Holmes G, Horrax G:Disturbances of spatial orientation and visual attention with loss of stereoscopic vision. Arch Neurol Psychiat 1:385, 1919
2)Critchley M:The Parietal Lobes. Hafner Press, New York, 1953
3)山田規畝子:壊れた脳―生存する知,pp36-40,講談社,2004
4)田辺誠司:両眼立体視の脳内表現.神経回路学会誌 11(2):64-73, 2004
5)泰羅雅登:運動のための視覚情報処理機構-頭頂連合野の機能.脳機能とリハビリテーション研究会 第7回抄録,2003
6)熊野弘紀:下側頭葉皮質細胞の両眼視差応答の定量的分析.神経化学 40:414,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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