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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル41巻1号

2007年01月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

痙縮・痙性

著者: 菅原憲一1

所属機関: 1神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部リハビリテーション学科理学療法学専攻

ページ範囲:P.65 - P.65

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 痙縮は脳血管障害や脊髄損傷等の上位運動ニューロン障害によって生じる運動障害の1つである.


●痙縮の臨床像

 痙縮は筋トーヌスおよび相動性筋伸張反射(phasic stretch reflex)の病的亢進を主とする病態である.筋トーヌスとは安静時の筋の硬さ(stiffness),伸展性(extensibility),被動性(passivity)を安静時,姿勢時,起立時,動作時の各状態で観察するものである1).筋トーヌスの異常は低下と亢進に分けられ,亢進に分類されるのが痙縮(spasticity),固縮(rigidity),さらにその両者の性質をもつ強剛痙縮(rigidospasticity)となる.痙縮の特徴は「関節を他動的に動かすと筋が硬く,被動性が減弱している.さらに筋を受動的に急速に伸展する際,はじめに抵抗があるが,伸展に伴って急速に抵抗がなくなる(折りたたみナイフ現象)」というものであり,速度依存性に筋の抵抗および腱反射が亢進した状態をいう.固縮は可動中の速度に依存することなく一定の抵抗がある状態をいう.痙縮,固縮は同じ筋トーヌスの亢進であるが,各々の機序は異なる.

参考文献

1)平山恵造:神経症候学,pp447-494,pp657-710,文光堂,1971
2)田中厲作:痙縮の神経機構―再訪.リハ医学 32:97-105,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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