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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル41巻10号

2007年10月発行

文献概要

報告

変形性膝関節症内側型に対する靴指導の有用性

著者: 清水新悟1 徳田康彦1 横地正裕2 前田健博1 良田洋昇2

所属機関: 1三仁会春日井整形外科 2三仁会あさひ病院

ページ範囲:P.861 - P.865

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 要旨:変形性膝関節症内側型22例34膝に対し,靴指導を行い,歩行時痛の改善が得られるか評価を行った.その結果,10m歩行時間,10m歩数,VASの改善を認めた.また日本整形外科学会OA膝治療成績判定基準(JOA score)を用いて,靴指導前と靴指導1週間後を評価して比較した結果,有意に靴指導後に改善がみられた.よって適した靴を装着することは歩行時痛の改善に有効であると思われた.さらに指導前と指導後の靴の重さを比較した結果,指導後の靴が有意に重いにもかかわらず,歩行時間の短縮などがみられ,対象者自身においても指導後の靴のほうを軽く感じるという結果が得られた.靴は必ずしも軽量化することが最善策ではないことが示唆された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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