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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル41巻11号

2007年11月発行

文献概要

入門講座 検査測定/評価・5

感覚

著者: 永冨史子1

所属機関: 1川崎医科大学附属病院リハビリテーションセンター

ページ範囲:P.925 - P.930

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感覚検査の適応と意義

 単純な要素的刺激を主観的に「感じる」と認める働きを,感覚(sensation)といい,刺激の強度,質,時間的経過などを弁別する働きまでも含むと知覚(perception)という.物の概念や識別など,さらに高次の働きを認知(cognition)という.一般に感覚と知覚は区別なく扱われ,検査されることが多い.感覚は,感覚受容器―感覚神経―感覚中枢(感覚野)のネットワークで「感じ」られる.この経路のいずれかに何らかの病態が疑われるとき,感覚検査の適応となる.

 理学療法における感覚検査の意義を表1に示す.感覚障害は神経学的症状であると同時に,治療内容・リスク管理に影響する重要な情報である.感覚障害が重篤ならば運動学習の阻害因子となり,また外傷・熱傷などのリスクも高い.病変部位や感覚障害の程度は治療計画にも影響する.

参考文献

1)永冨史子:感覚,内山 靖(編):理学療法評価学第2版,pp109-114,医学書院,2004
2)田崎義昭:ベッドサイドの神経の診かた,pp85-94,南山堂,1987
3)加藤 洋:感覚(知覚),吉利 和(監修):新内科学体系,pp239-261,中山書店,1976
4)川上義和:身体所見のとりかた,pp214-218,文光堂,1993
5)小嶺幸弘:神経診察ビジュアルテキスト,pp137-152,医学書院,2002
6)松澤 正:知覚検査,岩倉博光(監修):理学療法評価法,第3版,pp91-97,南山堂,1995
7)佐藤邦洋:体性感覚をあなどるな,奈良 勲(編):理学療法のとらえかた,pp150-155,文光堂,2003
8)平井俊策(編):目で見る神経学的診察法,医歯薬出版,1993
9)寺本民生(編):感覚障害,診察の技法と考え方,pp174-179,中外医学社,2001
10)和才嘉昭,嶋田智明:測定と評価第2版,pp285-307,医歯薬出版,1987
11)田村康二:臨床身体検査法,pp191-195,金原出版,1983

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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