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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル41巻12号

2007年12月発行

文献概要

特集 大腿骨―整形外科的治療と理学療法

―大腿骨疾患に重複障害を合併した難渋症例の理学療法―認知症を合併した大腿骨頸部骨折患者に対する理学療法

著者: 名古屋譲1 水落清吾1 佐藤成登志2 名古屋千恵子

所属機関: 1特定医療法人楽山会三島病院リハビリテーション部 2新潟医療福祉大学医療技術学部理学療法学科

ページ範囲:P.991 - P.995

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はじめに

 大腿骨頸部骨折患者の多くは高齢であるため,高血圧,心疾患,脳血管障害や認知症などを合併している場合がある.特に認知症の合併率は高く,報告により差はあるものの,合併症の上位に位置することが多い1,2)(表1).認知症を合併していると,理学療法を進める上で,協力を得られにくい,拒否がある,意思を確認しにくいなど困難を要することが多く,大腿骨頸部骨折への単独のアプローチに加えて認知症への配慮が重要となる.

 本稿では,当院における認知症を合併した大腿骨頸部骨折患者の概略と理学療法のポイントについて解説する.また,症例を提示して,具体的な経過やアプローチ方法についても述べる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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