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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル41巻12号

2007年12月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

肺高血圧症

著者: 熊丸めぐみ1

所属機関: 1群馬県立心臓血管センター

ページ範囲:P.1007 - P.1007

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●肺高血圧症とは

 肺高血圧症(pulmonary hypertension:PH)とは,肺動脈圧の上昇を認める病態の総称で,その原因は多岐にわたる.WHOでは安静臥位平均肺動脈圧が25mmHgを超えた場合にPHと診断できるとしているが,慢性閉塞性肺疾患など換気障害を主体とする疾患の場合には,25mmHgを超えることは多くはなく,わが国では一般的に20mmHg以上を示せばPHが存在するものと理解されている.

 PHは病変部位により5つのカテゴリーに分類される(表).一般にPHは稀な疾患であり,原発性肺高血圧症の発症率は100万人に2人程度であるが,膠原病など一部の基礎疾患を持つと,その発症率は極めて高くなる(混合性結合組織病では5~16%程度).成人では女性の発症率が高い.多くは難治性で,放置すると進行性に肺血管抵抗が上昇し,右心不全から死に至る極めて予後不良な疾患群であり,2007年現在,原発性肺高血圧症や特発性慢性肺血栓塞栓症などの10疾患が,PHに関連する主な厚労省特定疾患として挙げられている.一般的に,症状の増悪因子となりうる過度の運動や旅行,妊娠,出産は制限され,禁煙,減塩,休養と感染防止に努めることが求められる.

参考文献

1)Simonneau G, et al:Clinical classification of pulmonary hypertension. J Am Coll Cardiol 43(Suppl S):5S-12S, 2004
2)Mereles D, et al:Exercise and respiratory training improve exercise capacity and quality of life in patients with severe chronic pulmonary hypertension. Circulation 114:1482-1489, 2006
3)日本循環器学会:肺高血圧症治療ガイドライン2006年度改定(日本循環器学会ホームページ)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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