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書評
―木村貞治(編)―「理学療法士のための物理療法臨床判断ガイドブック」
著者: 内山靖1
所属機関: 1名古屋大学医学部保健学科理学療法学
ページ範囲:P.1020 - P.1020
文献購入ページに移動 物理療法(physical agents)の歴史は古く,運動療法とともに理学療法を行ううえで重要なものです.世界における理学療法を眺めてみても,温熱電気機器と古典的な徒手的方法による刺激が理学療法士の主たる業務となっているところも少なくありません.また,物理療法は,その原理が物理学を中心とした科学的根拠に裏打ちされて,刺激の種類や強度を定量的に表示できることも大きな魅力です.さらに,治療者ならびに対象者への2重マスク法が実施しやすいために,無作為化比較対照試験を含めて生理的な影響を明確に検証しやすい特徴があります.
このように考えると,物理療法はエビデンスに基づいた理学療法を実行している領域であると思われるかもしれません.しかし,実際には各物理療法をどのような臨床症状に,いかに適用するのかを明らかにすることが,最も重要な課題となります.これは,理学療法の臨床思考過程(Gedankengang)であり,対象者の所見から臨床推論(clinical reasoning)を重ねて適切な臨床判断を行うものです.
このように考えると,物理療法はエビデンスに基づいた理学療法を実行している領域であると思われるかもしれません.しかし,実際には各物理療法をどのような臨床症状に,いかに適用するのかを明らかにすることが,最も重要な課題となります.これは,理学療法の臨床思考過程(Gedankengang)であり,対象者の所見から臨床推論(clinical reasoning)を重ねて適切な臨床判断を行うものです.
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