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雑誌目次

雑誌文献

理学療法ジャーナル41巻2号

2007年02月発行

雑誌目次

特集 「腰痛症」の要因と理学療法

EOI(essences of the issue)

ページ範囲:P.97 - P.97

 「腰部の疼痛」を主訴とするもののうち,原因が明らかでなく,神経学的変化がみられず,X線でも明らかな器質的変化がみられないものを「腰痛症」と総称する.器質的変化がみられるものまで含めるとその罹患頻度は高く,自然緩解するものから,日常生活活動や就労に支障を来す場合など,重症度も様々である.腰痛症の治療は,外科的治療,薬物療法,理学療法,生活指導など種々のものが症状により適用され,臨床での取り組みが進んでいる.

 本特集では,「腰痛症」を,形態進化学・医学・理学療法学・装具学などの側面から整理する.

直立二足歩行と腰痛症―抗重力姿勢の影響

著者: 権田絵里

ページ範囲:P.99 - P.105

はじめに

 普段,われわれが人類の進化の道のりを考えるとき,高い知能やコトバの獲得,そしてそれらを土台とした文化の形成や文明の発展など,万物の霊長としての栄光の歴史に焦点が当てられるのが常であり,栄光と引き換えに負った代償を顧みることは少ない.

 例えば,「腰痛」もその1つである.あまりにも身近であるため,われわれはそれらがヒトであるがゆえの宿命的な苦難であることを意識していないが,われわれの祖先が直立二足歩行を始めたときから延々と受け継がれてきた負の遺産1)である.人類が知性や技術,コトバといった進化の恩恵にあずかるのは,実はそれよりもずっと後のことである.

 本稿では,ヒトという動物の特殊性や進化の道のりという視点から,人類と直立二足歩行への不適応現象,特に腰痛との関わり合いについて探ることを目的とする.

腰痛症に対する診断・医学的治療の変遷

著者: 関口美穂 ,   菊地臣一

ページ範囲:P.107 - P.112

はじめに

 腰痛の生涯発生率は50~80%であるといわれている1,2,3).腰痛が医学的な,そして社会的な問題である理由の1つに,「腰痛」という病態自体が抱えている問題がある.腰痛という言葉は症状であり,疾患名ではない.Macnabは,腰痛を脊椎性,神経性,内臓性,血管性,心因性と5つに大別した4).つまり,あらゆる疾患が腰痛を主訴とする可能性がある.しかも,腰痛の病態は生物学的な問題だけではなく,心理的・社会的因子といった機能的な障害も深く関与している.

 わが国の1か月の腰痛有病率は,20歳代の男性は29%,女性は22%で,30~60歳代は年齢や性別にかかわらず約30%,70歳代の男性は28%で女性は47%である5).高齢者は,若年者に比べて,腰痛を引き起こすことが明らかに多い.特に,女性の場合は,年齢とともにその頻度が増す.高齢化社会となった今,高齢者の人口増加は,腰痛を訴える患者の増加につながる.

 米国では,プライマリ・ケアを受診する患者に多い主訴の2位が腰痛であり,整形外科医,脳神経外科医,あるいは産業医を受診する最大の理由が腰痛である.患者数が多いため結果的に医療費は高騰する.しかも,仕事に関連した腰痛に支払われている休業補償と就労不能時間による経済損失を合わせると,その額は医療費の3倍にも達する.休業補償の点からみると,米国の労働人口の約2%は毎年腰痛のために補償を受けている.腰痛のために仕事を休み,それが本人や家族,あるいは地域社会,さらには職場に与える影響を考えると,その費用は莫大になると考えられる.腰痛は,個人の健康問題としてのみではなく,国の財政や産業基盤をも脅かす問題となっている.

 近年,EBM(evidence-based medicine)という概念・手法が導入され,腰痛の診断や治療を再検討する必要性が指摘されている.本稿では,今後の腰痛対策に向けて,腰痛の概念について新しく整理し,診断・医学的治療について述べる.

腰痛症者の理学療法評価の臨床的思考過程

著者: 伊藤俊一 ,   隈元庸夫 ,   白土修

ページ範囲:P.113 - P.121

はじめに

 2004年の厚生労働省国民生活基礎調査1)によると,有訴者の症状は腰痛が男性で第1位,女性で第2位であり,通院者率では男女とも高血圧に次ぐ第2位であった.また,高齢化と共に腰痛を有する人が増加し,特に女性で顕著となっている2).これは加齢変化による腰椎変性疾患の多彩性のみならず,閉経後骨粗鬆症に伴う腰痛症者の増加も意味しており,急速な超高齢化社会の訪れに伴う重要な社会問題と捉えられている.

 整形外科における腰痛症者に対する治療選択として,90%以上の対象でまず保存療法が選択され3),疼痛緩解を目的とした物理療法や腰痛体操を中心とした運動療法が幅広く行われている.しかし,腰痛症者に対する理学療法施行時に「とりあえず腰痛体操」といった安易なプログラムを指導していないだろうか.近年では,腰痛症治療のシステマティックレビュー4)も散見されるようになったが,いまだ運動療法の科学的根拠が明確化されておらず,その根拠を証明する取り組みも大規模には行われていない.さらに,「腰痛症」とは“腰が痛い”という症状の総称であって,その名前の病態があるわけではない上,85%の対象では非特異的疾患を疑う必要があるとの報告さえ多く存在する.このように複雑に絡まった病態を目の前にして,多くの時間を評価に費やしても結局は画一的なプログラム選択となることが少なくない.この結果,腰痛症者から理学療法,理学療法士は選ばれていない2,5)

 本稿では,腰痛症に対する理学療法評価の一般的な項目とその解説に加え,問診・各種測定と動作観察などにおけるポイントを述べ,治療選択までの過程を概説する.

腰痛症に対する運動療法と生活指導

著者: 川瀬真史

ページ範囲:P.123 - P.130

はじめに

 いわゆる腰痛症とは,外傷などの明らかな原因がなく,画像検査においても原因のはっきりしない腰痛症状を言う.腰痛症状には,何らかの原因があり,器質的疾患の初期,他疾患からの関連痛,不良姿勢などの機能的なもの,心因性のもの,などが考えられる.特に不良姿勢による腰痛は頻度が一番高いとされている.

 腰痛症に対する運動療法の1つに治療体操がある.治療体操は腰痛体操とも言われ,主な目的は体幹筋の強化と軟部組織の伸張である.体操の代表的なものとして,屈曲運動を中心としたWilliams体操,伸展運動を中心としたMckenzie体操がある1).腰痛症の病態には,体幹筋の機能不全,筋の短縮,疼痛が存在し,対象者の症状に合わせた治療体操を病期別に選択することや,物理療法を補助として,疼痛をコントロールしながら継続的に行っていくことも大切である2~3).また,腰痛は日常生活と密接に関係しているため,運動療法と同様に日常生活指導も重要な治療手段である.日常生活指導は,正しい姿勢や動作を理解しやすい言葉で説明し,対象者の理解を深めることが重要であり,腰痛の予防・再発防止に有効である4).運動療法や生活指導は医療現場にとどまらず,家庭や職場などの生活の場でも,継続して行われるものであり,腰痛に対して対象者自身がいかにセルフケアを行っていくかが治療のキーポイントとなる.

 本稿では,一般的に施行されている腰痛体操の選択と実際について解説し,あわせて具体的な指導について述べる.また,腰痛症者への教育的アプローチについての臨床データを含めて紹介し,日常生活指導についても言及する.

腰痛症に対する物理療法と装具療法

著者: 森井和枝 ,   相馬光一 ,   藤縄光留 ,   伊藤康雅

ページ範囲:P.131 - P.137

はじめに

 厚生労働省が発表した2004(平成16)年度国民生活基礎調査の概況によると,病気や体調不良などの自覚症状があると回答した総数は全体の32.2%にも達し,男性ではその症状の第1位が腰痛,女性でも第2位であった.人間が二足歩行を始めたときから,腰痛は人類にとって免れることのできない病態となった.腰痛症は整形外科的分野のみならず,臨床解剖学,神経生理学,心理学など多方面からの検討がなされている.本稿では,筋力低下や肥満,TMS(tension myositis syndrome:緊張性筋炎症候群)理論に代表される阻血性の痛みや腰部筋筋膜炎,長期にわたって痛みが繰り返されるような慢性期の“いわゆる腰痛症”に対する物理療法と装具療法について,その効果と限界について述べる.

とびら

「ずれ」から「創造」へ

著者: 塚本彰

ページ範囲:P.95 - P.95

 理学療法士は時代と環境の変化によって,社会の中でどのような影響を受けるのだろうか.

 人は他者や他の世界との関係の中に存在し,それらとふれあうことで学ぶ心や創造性を開花させる.自分の外の世界とふれあう時に大切なのが「ずれ(違い)」であり,その「ずれ」を吸収することで自らを変身させて新しいものを創造することができる.他者や外界との「ずれ」を経験することは人が成長する上で欠かせないものであり,教育であるとも言える.「マンネリ化」すると「ずれ」を感じることができなくなり,次第に創造性が低下してしまう可能性がある.

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

要介護度

著者: 香川幸次郎

ページ範囲:P.143 - P.143

 要介護度とは,介護を要する程度を表すものであり,介護保険法に基づく支給限度額や介護給付,介護報酬の水準などを定めるために用いられる.介護保険は被保険者の要介護状態または要支援状態に対し,必要な保険給付を行い,要介護状態または要支援状態の軽減や悪化の防止に資すると定められている.

 要介護状態とは,身体上もしくは精神上の障害があるために入浴,排泄,食事などの日常生活における基本的な動作の全部もしくは一部について,6か月間にわたり継続して,常時介護を要すると見込まれる状態をいう.要支援状態とは,常時介護を要する状態の軽減もしくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ,または身体上もしくは精神上の障害があるために,日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態をいう.

学会印象記

―第22回義肢装具学術大会―さらなる「拡がり」を求めて

著者: 福本和仁

ページ範囲:P.144 - P.145

 NHK大河ドラマ「功名が辻」にも顔を出した7本槍の1人,加藤清正が築城した熊本城は,今年で築城400年を迎える.この記念すべき年に,第22回義肢装具学術大会(以下,本学会)が熊本の地において開催された.当初会場に予定していた熊本市民会館が改装のため使用できなくなり,急遽会場変更を余儀なくされ,関係者は大慌てで会場を変更することとなった.熊本の中心部にあるデパートの鶴屋ホールと,くまもと県民交流会館「パレア」で開催することになったと聞き,交通の便は良いものの,「スペースは大丈夫かな?」と若干の不安を感じつつ会場入りした.会場は同じ建物の7・9・10階にコンパクトに配置され,狭いながら十分に満足できるものであった.さらに8階ではバラの展覧会も開催されていて,会場を上下するたびにバラの豊潤な香りと艶やかな色彩を堪能することができ,ちょっとした気分転換になった.

 階別にみてみると7階では,大ホールにおいて今回の主題である「高齢者と義肢装具」に沿って,大会長(米満弘之先生:熊本機能病院)講演の「高齢者の整形外科的疾患と義肢装具」をはじめ,「高齢者障害者の車椅子シーティング」(木之瀬 隆先生:首都大学東京)など主だった講演8つと,「脳卒中の短下肢装具―病態によるベストな選択」や,「義肢・装具の材料の最近の進歩」のシンポジウム,「高齢高位下肢切断者と義足」,「チーム医療における義肢装具士のあり方」のパネルディスカッションが行われた.第2会場では「カーボン装具の有用性」(蜂須賀研二先生:産業医科大学)や「すぐ装着できる装具」(渡辺英夫先生:大牟田天領病院)などの教育講演が行われた.また一般演題の一部とポスター発表も同階で行われ,実物を展示して行われるポスター発表は,本学会ならではのものである.9階では2日間で55題の演題発表が行われ,活発な討議がなされていた.10階では各メーカーによるワークショップが開催され,各社の新製品紹介や適応などについての説明が行われた.また商業展示のブースもあり,義肢装具材料や義足パーツ・新製品の紹介など華やかな雰囲気の中,熱のこもったプレゼンテーションが行われていた.

入門講座 画像のみかた・2

臨床に活かす四肢・脊柱のX線画像のみかた

著者: 青木光広

ページ範囲:P.147 - P.156

骨関節のX線画像のみかた

 骨関節のX線画像はあらゆる画像診断の中核をなしており,骨関節に沈着したミネラルが形成する濃淡像から,局所の病態を確認することができる.

 骨関節X線画像の読影における原則として,以下のようなものが挙げられる1)

 1)2方向撮影の観察を原則とする.2方向からの観察でイメージが立体化され,異常所見が明らかになる.

 2)撮影条件(黒化度と鮮鋭度)を考慮する.暗すぎたり明るすぎる条件によるX線画像,ならびに被写体が動いて焦点が確保されていないX線画像は再度撮影を行う.

講座 理学療法士の卒前教育・2

日本理学療法士協会が推進する卒前教育のあり方

著者: 潮見泰藏

ページ範囲:P.157 - P.163

はじめに

 理学療法士の卒前教育は,今,大きな転換期を迎えている.社会全体の規制緩和の流れの中で,1999(平成11)年に施行された教育カリキュラム(指定規則)の改正以来,わが国の理学療法学教育の向かうべき方向が茫茫としているように思われる.かつてないほどの養成施設・学生数の急増,学生気質の変化,業務の拡大など,教育を取り巻く環境が大きく変わってきており,従来の教育内容や方法では対応が困難となってきている.養成施設の急増は教員の不足をもたらし,教育経験の浅い教員が増加することになった.しかも,教員ごとに指導内容が不統一であり,教育技法に関する知識も不十分なまま教育に携わらざるを得ない状況にある.さらに,臨床実習施設ならびにその指導者の不足も深刻な問題となっている.このように昨今,卒前教育に関する問題は山積しており,日本理学療法士協会(以下,協会)の果たすべき役割はますます大きくなっている.本論では,こうした現状を踏まえて,協会が推進する「理学療法士の卒前教育」のあり方について,私見を交えて述べる.

症例報告

重症心不全により補助人工心臓を装着した11歳男児の理学療法―プログラム実施上の留意点

著者: 天尾理恵

ページ範囲:P.165 - P.169

はじめに

 わが国では1997年10月に「臓器の移植に関する法律」が施行され,2005年5月現在,小児2例を含む27例の心臓移植が行われている1,2).年間移植件数は増加傾向にあるが,年間約2,000例の心臓移植が行われている米国に比べると,ドナーの少なさは歴然としており,米国における移植待機期間が約60日であるのに対し,日本は650日を越えている2,3)

 また日本では,小児に関しては6歳未満の脳死判定基準がないこと,15歳未満の臓器提供の意思が認められていないことから,心臓移植の機会は極めて少ないのが現状である4).このような背景の中で,小児の重症心不全患者は海外での移植に望みをつなげるケースが少なくなく,その数は年々漸増する傾向にある.

 本邦における重症心不全患者の心臓移植待機期間は長期にわたるのが現状であり,重症心不全患者の補助循環治療の1つである補助人工心臓(ventricular assist system:VAS)が心移植へのbridge therapyとして注目されている.2005年6月現在,日本臓器移植ネットワークに登録された小児症例は15例,うち9例がVASを装着しており,6例が海外渡航による移植を受けている2)

 当院では2005年9月現在,8例の左室補助人工心臓(left ventricular assist system:LVAS)装着患者の理学療法を実施してきた.今回,拡張型心筋症により重症心不全を呈し,LVASを装着した11歳男児の理学療法を実施するにあたり,小児であることを念頭に置いた理学療法プログラムの立案やリスク管理など,留意を要した点を以下に報告する.

書評

―廣瀬秀行・木之瀬 隆(著)―「高齢者のシーティング」

著者: 吉川和徳

ページ範囲:P.140 - P.140

 本書の著者である廣瀬秀行氏と木之瀬隆氏とは,5年ほど前より特定非営利活動法人日本シーティング・コンサルタント協会(http://seating-consultants.org/)の設立準備(厳密に言えばもう少し前からであるが)の頃からご一緒させていただいている間柄である.今から思えば,理学療法士資格を取得して以来,地域でくらす人々の生活を支える現場で活動していた筆者と,長年にわたりいすの研究をされてこられた廣瀬,木之瀬両氏らとの出会いは,決して奇異なことではなく,むしろ必然といえることだったのかもしれない.

 ICFの概念を引き合いに出すまでもないが,われわれの生活は本人に起因する状況と本人以外の外部環境に起因する状況との相互関係によって成立している.住み慣れた地域でのくらし,特に尊厳を保持するための自立したくらしを支えようとすればするほど,身体機能やくらしと環境因子との不適合の問題がクローズアップされ,身体機能の改善方策の検討と,環境因子を身体機能やくらしに適合させる方策を検討することは,いわば車の両輪であるということに気付いていくことになる.

―寺山和雄,堀尾重治(著)―「図で説く整形外科疾患外来診療のヒント[ハイブリッドCD-ROM付]」

著者: 山内裕雄

ページ範囲:P.142 - P.142

 近年インフォームドコンセントの重要性が叫ばれている.そんな外来語を持ち出さなくても,むかしから患者さんへの説明は医療の一部であったし,よい説明は百薬にも勝るものである.しかし実際には時間をかけて説明してもなかなかわかってもらえず,一方通行になっていることが少なくない.患者さんが理解しやすい説明法にわれわれはもっと習熟すべきであろう.

 そのよい手段として図示がある.いろいろな学会から主要疾患の説明パンフレットが出ているし,私も以前ある製薬会社の依頼を受けてPatient Education Guideなる図譜・CD-ROMの作製に協力したことがある.

―田中 正(監訳)・金谷文則(訳者代表)―「AO法骨折治療Hand and Wrist[英語版DVD-ROM(Win版)付]」

著者: 岩本幸英

ページ範囲:P.172 - P.172

 この度,手および手関節の骨折治療に関する手術手技と,最新のAO固定法を紹介した『AO法骨折治療Hand and Wrist』が出版された.金谷文則先生,別府諸兄先生,吉田健治先生の翻訳,田中正先生の監訳によるものであり,わが国の代表的なHand Surgeonが,本書の内容を広く伝えようとしている意気込みが伝わってくる.自分が研修医の頃,教科書を読んでAO法の原理を理解し,胸を高鳴らせて骨折の手術に臨んだことを思い出しながら本書に目を通してみた.

 本書の特徴は,豊富なカラー写真や図を用い,手指骨,手根骨,橈骨遠位端の個々の骨折について,術前計画,手術進入法,AOインプラントを用いた固定法,後療法を簡潔かつ明瞭に記載している点にある.そのため,今から手の外科を学ぶ若い整形外科医にとって,治療のポイントを要領よく頭に入れることができる.また,まさに“待ったなし”の骨折治療の現場で,正しい治療法を短時間のうちに確認する上でも有用である.

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文献抄録

ページ範囲:P.170 - P.171

編集後記

著者: 永冨史子

ページ範囲:P.178 - P.178

 年が明け,今年の抱負などを胸に秘めつつ1月の喧噪からひと段落している方,3月の年度末に向かってスパートをかけている方,それぞれの2月をお過ごしのことと思います.

 さて,今回の特集テーマは「腰痛症」です.これは人類が二本足で立ち上がったが故の疾患といわれています.すべての人間は重力に抗し続けられることを願い,われわれ理学療法士は自身も重力に抗しながら,専門的に援助します.人類共通のリスクという点で,腰痛症は単なる病気とはいえない面があります.本特集は,腰痛の成り立ちを知り,理学療法の介入と可能性とを整理しよう,と企画いたしました.

基本情報

理学療法ジャーナル

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1359

印刷版ISSN 0915-0552

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