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書評
―廣瀬秀行・木之瀬 隆(著)―「高齢者のシーティング」
著者: 吉川和徳12
所属機関: 1ふつうのくらし研究所 2特定非営利活動法人日本シーティング・コンサルタント協会
ページ範囲:P.140 - P.140
文献購入ページに移動 本書の著者である廣瀬秀行氏と木之瀬隆氏とは,5年ほど前より特定非営利活動法人日本シーティング・コンサルタント協会(http://seating-consultants.org/)の設立準備(厳密に言えばもう少し前からであるが)の頃からご一緒させていただいている間柄である.今から思えば,理学療法士資格を取得して以来,地域でくらす人々の生活を支える現場で活動していた筆者と,長年にわたりいすの研究をされてこられた廣瀬,木之瀬両氏らとの出会いは,決して奇異なことではなく,むしろ必然といえることだったのかもしれない.
ICFの概念を引き合いに出すまでもないが,われわれの生活は本人に起因する状況と本人以外の外部環境に起因する状況との相互関係によって成立している.住み慣れた地域でのくらし,特に尊厳を保持するための自立したくらしを支えようとすればするほど,身体機能やくらしと環境因子との不適合の問題がクローズアップされ,身体機能の改善方策の検討と,環境因子を身体機能やくらしに適合させる方策を検討することは,いわば車の両輪であるということに気付いていくことになる.
ICFの概念を引き合いに出すまでもないが,われわれの生活は本人に起因する状況と本人以外の外部環境に起因する状況との相互関係によって成立している.住み慣れた地域でのくらし,特に尊厳を保持するための自立したくらしを支えようとすればするほど,身体機能やくらしと環境因子との不適合の問題がクローズアップされ,身体機能の改善方策の検討と,環境因子を身体機能やくらしに適合させる方策を検討することは,いわば車の両輪であるということに気付いていくことになる.
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