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講座 介護予防と理学療法・1【新連載】
平成18年介護保険制度改正が与えた影響
著者: 香川幸次郎1
所属機関: 1岡山県立大学保健福祉学部保健福祉学科
ページ範囲:P.335 - P.340
文献購入ページに移動介護保険法はわが国の急速な高齢化の進展に伴い,新たに生じてきた介護問題に対処するため,2000年4月から施行されたものである.法制定の基本的な考え方として,(1)老後の最大の不安要因である介護を社会全体で支える仕組みをつくること,(2)これまでの縦割りの制度を再編成し,保健・医療・福祉にわたる介護サービスが,総合的・効率的に提供されるサービス体系を確立すること,(3)今後増大する介護費用を安定的に賄う財源として,社会保険方式を採用することであった.そして介護保険法の目的にあるように,要介護高齢者が有する能力に応じ,自立した生活を営むことができるよう支援することである.
介護保険制度では1人ひとりのニーズに応じたサービスを提供するため,ケアマネジメント方式が採用された.ケアマネジメントは評価(アセスメント),介護計画の立案(プランニング),計画の実施,再評価(フォローアップ)のサイクルで構成されている.こうした方式が介護の領域に取り入れられた意図は,利用者のニーズに応じたサービスを提供することであり,高齢者ならびに家族の自立と生活の質(Quality of Life)を向上させることにある.
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