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書評
―奈良 勲(著)―「奈良勲回顧録―わが半生,日本の理学療法と共に歩んで」
著者: 日下隆一1
所属機関: 1佛教大学保健医療技術学部理学療法学科
ページ範囲:P.314 - P.314
文献購入ページに移動 本書は,著者の生い立ちに始まり,アメリカ留学,帰国後の臨床・研究および大学教員としての教育,日本理学療法士協会長を主とした長年の役員就任時期における出来事と自身の「生きざま」を,科学者,哲学者,詩人そして何よりも「ひたすら理学療法を愛する者」の思いとして書き綴られているだけではなく,これからの理学療法(士)のあり方をも示唆した内容となっている.加えて,40年の歴史をもつわが国の理学療法に関する資料,1968~1997年に至る20編余の詩,著者を知る9人もの方々が著者の「人となり」などについて寄稿されており,読み応えのある308ページとなっている.
したがって,本書は理学療法士を志す学生さんは言うに及ばず,新人,中堅そして経験豊富な理学療法士など,それぞれの存在を意識して書かれている感を受ける.自身や理学療法に関連して,その本質,協会の変遷,過去と現代の出来事の様相にとどまらず,組織運営や今後の理学療法のあり方などを明快に述べることによって,おのずと多様な読者に対する個別的な有用性が高められているように思える.また,自身とその周辺に結び付けて随所に哲学者,詩人,心理学者などの偉人の言葉や「聖書」からの引用がなされているが,効果的に配置されているだけに著者の思考の奥行きを感じさせるものとなっている.
したがって,本書は理学療法士を志す学生さんは言うに及ばず,新人,中堅そして経験豊富な理学療法士など,それぞれの存在を意識して書かれている感を受ける.自身や理学療法に関連して,その本質,協会の変遷,過去と現代の出来事の様相にとどまらず,組織運営や今後の理学療法のあり方などを明快に述べることによって,おのずと多様な読者に対する個別的な有用性が高められているように思える.また,自身とその周辺に結び付けて随所に哲学者,詩人,心理学者などの偉人の言葉や「聖書」からの引用がなされているが,効果的に配置されているだけに著者の思考の奥行きを感じさせるものとなっている.
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