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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル41巻5号

2007年05月発行

文献概要

特集 実践理学療法のエビデンス

物理療法による除痛効果―実践理学療法のエビデンス

著者: 篠原英記1

所属機関: 1神戸学院大学総合リハビリテーション学部

ページ範囲:P.393 - P.401

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痛みの治療とエビデンス
 痛み,特に急性痛は身体に加わる有害な刺激から身体を守るために必要な情報である.しかし,その反面,痛みは不快な感覚の総称であり,この知覚体験の持続はその人の人生に大いなる苦痛をもたらし,生命にも影響しかねない重要な問題である.そのような痛み治療の第一歩は,痛みの生じる原因と過程を生理学的に知ることであり,次に,その痛みの発生過程に対してどのように対処するかを,理論的に把握することである.理学療法士は,痛みを軽減するための技術としていくつかの物理的方略を有しているが,その応用にあたっては,生理学的根拠(エビデンス)の理解が不可欠である.物理療法の中には,ある程度具体性をもって治療の根拠が示されている場合と,そうでないものとがある.本稿では,疼痛の原因に応じてどの物理療法手段を選択し,どのようにそれを適用していくべきかを,生理学的解釈を入れながら論述する.

参考文献

1)鈴木順一:筋スパズム・筋硬結に対する温熱・寒冷療法,篠原英記,他(編):物理療法,pp20-28,三輪書店,2000
2)Baldry PE:Acupuncture, trigger points and musculoskeletal pain, Churchill Livingstone, 2005
3)鈴木重行:痛み,細田多穂・柳澤 健(編):理学療法ハンドブック(第3版)第1巻,pp435-461,協同医書,2000
4)熊澤孝朗:痛みのメカニズム,鈴木重行,他(編):疼痛の理学療法,pp2-14,三輪書店,1999
5)横田敏勝:臨床医のための痛みのメカニズム,南江堂,1997
6)宮下浩二,他:スポーツ外傷に対する温熱・寒冷療法,篠原英記,他(編):物理療法,pp40-47,三輪書店,2000
7)川村博文,他:RSDの痛み・幻肢痛に対する経皮的電気刺激,篠原英記,他(編):物理療法,pp107-120,三輪書店,2000
8)牛込伸行,他:レーザー光線による疼痛治療,鳥巣岳彦・落合直之(編):ゴールドスタンダード整形外科,p159-161,南江堂,2003
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10)段野貴一郎:創傷に対する光線療法(紫外線療法・赤外線療法),篠原英記,他(編):物理療法,pp132-137,三輪書店,2000
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15)Simons DG, Travell JG, Simons LS:Myofascial Pain and Dysfunction. The Trigger Point Manual(Vol. 1)Lippincott Williams & Wilkins, 1999
16)篠原英記:物理療法による疼痛治療,鳥巣岳彦・落合直之(編):ゴールドスタンダード整形外科,pp152-158,南江堂,2003
17)白石貢一郎,他:痛みに対するレーザー光線療法,篠原英記,他(編):物理療法,pp143-148,三輪書店,2000
18)森田秀樹:創傷治癒のためのレーザー光線療法,篠原英記,他(編):物理療法,pp138-142,三輪書店,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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