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1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?
起立性低血圧
著者: 小野田英也1
所属機関: 1日本理学療法士協会
ページ範囲:P.491 - P.491
文献購入ページに移動●診断基準と発生機序
起立性低血圧は,臥位と比較して立位での収縮期血圧が20mmHg,または拡張期血圧が10mmHg以上低下する場合とされている.血液は液体であり,立位姿勢をとると重力によって下肢に血液が貯留し,心臓への静脈還流が減少し,これに伴って心拍出量が減少する.心拍出量の減少によって大動脈弓や頸動脈洞にある圧受容体が反応し,血圧調整反射が誘発され,交感神経が刺激される.交感神経が刺激されることにより,末梢血管,特に下肢の血管収縮,心拍出力の増強,脈拍増加などが生じ,血圧,脳血流量が維持される.このメカニズムが何らかの原因で障害されることで起立性低血圧症状が現れる.
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