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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル41巻6号

2007年06月発行

文献概要

書評

―林 光俊・岩崎由純(編)―『ナショナルチームドクター・トレーナーが書いた 種目別スポーツ障害の診療』

著者: 松田直樹1

所属機関: 1国立スポーツ科学センター スポーツ医学研究部

ページ範囲:P.488 - P.488

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 スポーツ診療を専門とするクリニックや,アスレティックリハビリテーションにも対応できる医療機関が需要とともに増加し,理学療法士もスポーツ現場で非常に多くの方々がサポートスタッフとして活動している.競技スポーツに対応する場合,いくら医学的知識があってもその競技の種目特異性に対応できなければ,選手の復帰に対する必要条件はクリアできても,十分条件のクリアはできない.ケガが治っても良いパフォーマンスで競技ができない.スポーツの競技種目はアテネ五輪とトリノ五輪の競技だけでも46競技に及ぶ.自分の経験したことのある競技の理解・指導は容易でも,経験したことのない競技については運動学的,生理学的・医学的特徴について競技を分析して選手に理学療法士としてパフォーマンスの回復について指導することは簡単ではない.

 今回南江堂より「ナショナルチームドクター・トレーナーが書いた種目別スポーツ障害の診療」が発刊された.本書は日本を代表する各競技種目のチームドクターやトレーナーの方々が貴重な各競技の代表活動経験より,競技現場でよく起こるスポーツ障害の治療や応急処置,復帰に向けたリハビリテーションとリスク管理など細かく競技別に記載されている.今までも同様の書籍は存在したが,本書は各競技において代表チーム活動経験のある「ドクター」と「トレーナー」がペアとなって執筆しているという大きな特徴を持っている.スポーツ現場で医学的管理をするメディカルスタッフとしては「トレーナー」は「ドクター」の診断と治療方針のジャッジを理解する必要がある.また逆に「ドクター」は「トレーナー」の行うアスレティックリハビリテーションやコンディショニングの目的と方法について理解する必要がある.スポーツ医学の両輪としての「ドクター」と「トレーナー」の両者がそれぞれの立場で同じ競技のスポーツ医学を語ることは,お互いの立場の理解という点においても知識の共有という点でも非常に役立つものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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