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症例報告
高齢血液透析患者における身体能力推移の経時的記録利用の試み―単一症例による15か月の理学療法経験
著者: 池田耕二1 玉木彰2 中塚奈々1 山本秀美1 宮﨑昌之1
所属機関: 1道仁病院リハビリテーション科 2京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
ページ範囲:P.597 - P.602
文献購入ページに移動血液透析(hemodialysis:以下,HD)を受ける高齢患者の身体能力低下は,原疾患や合併症,加齢現象だけでなく,透析や社会生活の変化による心理的負担などからも生じる1,2,3).そのため,HD者の理学療法は長期化することが多く4),その経過の中で徐々に身体能力が低下していくことも少なくない.
またHD者では,HD後に生じる全身状態の変動1,5)や,心理的原因で一時的に身体能力が変化することもあるため,長期経過の中では身体能力の一時的な状態の比較だけではなく,経時的な変化の中でそれらを評価していく必要性があると考える.しかし,臨床において施行日の身体能力の状態が,どのような意味(身体的・心理的)をもつのかを適切に評価することは容易ではない.
そこで,症例の観察から身体能力の評価表を作成し,身体能力推移の経時的記録の理学療法評価や介入における有用性を,糖尿病性腎症の高齢HD者1症例の理学療法経験(15か月間)を通して検討したので,考察を加え報告する.
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