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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル41巻8号

2007年08月発行

文献概要

特集 病棟理学療法の視点と実践

一般病院における骨関節系疾患の病棟理学療法

著者: 齋藤里美1 齋藤幸広1 濱野俊明1 高関じゅん1 畠中佳代子1 加藤理恵1 内田賢一2

所属機関: 1藤沢市民病院リハビリテーション室 2神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部リハビリテーション学科理学療法学専攻

ページ範囲:P.623 - P.630

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 骨関節系疾患に対する理学療法は,早期からの関節運動や離床に向けた動作の獲得による安静期間の短縮が推進されている.当院においても,術式の進歩や内固定材の改良に合わせた早期理学療法の取り組みを,クリニカルパスの利用と共に行ってきた1).理学療法の早期化に伴い,術前術後に病棟で実施する理学療法(以下,病棟理学療法)期間の短縮と,リスク管理を含めたリハビリテーション(以下,リハ)室への円滑な移行が求められている.

 一方,早期理学療法に伴う早期退院は,患者側,医療者側の双方にとって利益があるはずである.しかし実際には,患者を取り巻く環境はあまりにも早く進み,ADLの獲得や退院に向けた調整も困難な状況となり,患者にとって必ずしも満足な状態とはいえない.この乖離に対して,リハ室での移動能力の改善と並行して,理学療法士が病棟訪問を行うことが実生活に即したADLの早期獲得に重要な役割を果たす.いわゆる「しているADL」「するADL」あるいはASL(activities of social life)の拡大によるQOLの向上に対するアプローチである2)

参考文献

1)内田賢一,他:変形性関節症術後の早期理学療法.PTジャーナル 37:767-772,2003
2)湯元 均:一般病院における病棟理学療法の役割と今後の課題.PTジャーナル 35:537-541,2001
3)辻村康彦,他:大腿骨頸部外側骨折.PTジャーナル 39:21-30,2005
4)内田賢一:大腿骨頸部骨折.鶴見隆正,他(編):骨・関節系理学療法実践マニュアル,pp78-86,文光堂,2006
5)安保雅博,他:ドレーン留置とベッドサイドリハビリテーション.臨床リハ 12:26-32,2003
6)稲葉 裕,他:整形外科手術におけるDVTとPTEの予防.MB Orthop 18(13):19-25,2005
7)高木理彰,他:高齢者の大腿骨頸部骨折と深部静脈血栓症.総合リハ 32:927-933,2004
8)本田 淳,他:腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症の主な手術と術後のリハビリテーションの留意点.MB Med Reha 64:27-34,2006
9)折井久弥,他:脊椎手術―椎間板手術.総合リハ 31:931-935,2003
10)中野哲雄:脊椎圧迫骨折の合併症,臨床リハ 14:989-995,2005
11)上田 敏:日常生活動作を再考する―「できるADL」,「しているADL」から「するADL」へ―.リハ医学 30:539-549,1993
12)中島由美,他:回復期リハビリテーション病棟における理学療法.PTジャーナル 35:543-550,2001
13)森田定雄:整形外科疾患への加速的アプローチの基本的考え方.理学療法 20:397-401,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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