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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル41巻8号

2007年08月発行

文献概要

特集 病棟理学療法の視点と実践

一般病院における急性期脳卒中患者の病棟理学療法

著者: 廣澤隆行1 鶴見隆正2

所属機関: 1尾道市公立みつぎ総合病院 2神奈川県立保健福祉大学リハビリテーション学科理学療法学専攻

ページ範囲:P.631 - P.638

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はじめに

 近年,脳卒中患者の理学療法は,多くの医療機関で発症・入院後2~3日以内,早ければ発症当日から集中治療室(以下,ICU)で治療と並行して開始されている.

 「脳卒中治療ガイドライン2004」では「廃用症候群を予防し,早期の日常生活動作(ADL)向上と社会復帰を図るために,十分なリスク管理のもとに急性期からの積極的なリハビリテーション(以下,リハ)を行うことが強く勧められる(推奨グレードA).その内容には,早期座位・立位,装具を用いた早期歩行練習,摂食・嚥下練習,セルフケア練習などが含まれる1)」と記述されている.また,脳卒中患者の大半が高齢者であるため,多くのリハの成書2~5)にも,廃用症候群および合併症の予防を目的とした急性期リハが重要であると記述されている.これらのことから,脳卒中患者の急性期理学療法は,廃用症候群の予防に重点をおき,可能な限り早期に開始されることに異論はない.

 本稿では,尾道市公立みつぎ総合病院(以下,当院)における急性期(発症~約1か月)脳卒中患者の病棟理学療法の取り組みについて概説する.

参考文献

1)篠原幸人,他(編):脳卒中治療ガイドライン2004,協和企画,pp178-180,2004
2)浜村明徳(監修):これからの脳卒中リハビリテーション―急性期・回復期の実践指針とあり方―,青海社,pp25-38,2004
3)石川 誠(編著):高齢者ケアとリハビリテーション,回復期リハと維持期リハ,厚生科学研究所,pp19-21,2000
4)大川弥生:目標指向的介護の理論と実際,―本当のリハビリテーションとともに築く介護―,中央法規,pp161-205,2000
5)千野直一,他(編):高齢者のリハビリテーション,リハビリテーションMOOK13,金原出版,2005
6)山口 昇:地域包括ケアシステムとケアマネージャーの重要性.地域医療 35(4):8-17,1998
7)山口 昇(監修):地域リハビリテーション,医学書院,pp34-44,2000
8)大塚 功,他:ベッドサイドでの患者評価3 脳血管障害・脳外傷.PTジャーナル 40:763-773,2006
9)石田 暉:脳血管障害,臨床リハ別冊 リハビリテーションにおける評価Ver. 2,医歯薬出版,pp160-174,2000
10)近藤克則,大井通正:脳卒中リハビリテーション第2版.早期リハからケアマネジメントまで,医歯薬出版,pp32-45,2006
11)近藤克則,大井通正:脳卒中リハビリテーション第2版,早期リハからケアマネジメントまで,医歯薬出版,pp94-105,2006
12)澤田雄二:非活動とADL.OTジャーナル 37:483-487,2003
13)Smithard DG, et al:The natural history of dysaphasia following stroke. Dysaphasia 12:188-193, 1997
14)田中慎太郎:高次脳機能障害を呈した脳卒中片麻痺患者の排泄動作に対する応用行動分析学的アプローチの試み.理学療法の臨床と研究 16:21-24,2007
15)内田奈々,他:急性期病院から見たリハビリテーション連携の現状と課題.PTジャーナル 40:721-726,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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