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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル41巻8号

2007年08月発行

文献概要

特集 病棟理学療法の視点と実践

介護老人保健施設における居室理学療法

著者: 山本貴一1

所属機関: 1羽生市医師会立介護老人保健施設カノープス☆羽生リハビリテーション課

ページ範囲:P.647 - P.653

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はじめに

 介護老人保健施設(以下,老健)は,「総合的・包括的ケアサービス施設」,「リハビリテーション施設」,「在宅復帰施設」,「在宅ケア支援施設」,「地域に根ざした施設」の5つの役割・機能を有しており1,2),維持期リハビリテーションを中心とした生活の自立促進と在宅での生活支援の場といえる.しかし,現状では軽度の要介護者であっても在宅での生活は難しく,施設を転々とし,在宅復帰できないことがある2).現在の老健では,事実上,入所期間の制限がないため,入所が長期化していることもその一因であろう.そのような状況ではあるが,われわれ理学療法士が老健での関わりとして生活の自立支援をしていくことには変わりない.

 2003(平成15)年度の介護報酬の改定により,「リハビリテーションは,患者の生活機能の改善等を目的とする理学療法,作業療法,言語聴覚療法等により構成され,いずれも実用的な日常生活における諸活動の自立性の向上を目的として行われるものである(平成12年老企第58号)」3)と規定され,生活機能を実生活(自宅・居室などの)の中で「実用的」に行うことが示された.在宅での生活でも,施設入所での生活でも,生活環境の違いがあっても,その「人」が生活していくことには変わらず,生活機能向上を目指すことの意義は同じである.

 本稿では,老健でのリハビリテーションの実際について述べていく.

参考文献

1)全国老人保健施設協会(編):老健施設リハビリの基本的課題 介護老人保健施設リハビリテーションマニュアル,pp60-61,厚生科学研究所,2002
2)全国老人保健施設協会(編):介護老人保健施設職員ハンドブック'06年度,pp8-20,厚生科学研究所,2006
3)上田 敏:老健施設におけるリハビリテーションのあり方―リハビリテーション実施計画書の活用を含めて―.全国老人保健施設協会機関誌 14:14-18,2003
4)金谷さとみ:地域における生活機能向上のための理学療法.PTジャーナル 38:529-535,2004
5)白石成明,他:回復期リハビリテーション病棟における脳卒中患者の日常生活活動の実行状況変化とその要因.理学療法学 32:361-367,2005
6)Schmidt RA,調枝孝治(監訳):運動学習とパフォーマンス―理論から実践へ,pp201-229,大修館書店,1994
7)野島由紀,他:介護老人保健施設における理学療法.PTジャーナル 37:951-959,2003
8)吉川和徳:福祉用具適用のための生活機能障害のアセスメントにおける理学療法(士)の役割.PTジャーナル 38:537-544,2004
9)川副巧成:認知症予防と運動の関係.PTジャーナル 40:535-541,2006
10)小幡太志,他:認知症の理学療法アプローチ―身体特性と運動療法について.PTジャーナル 40:529-534,2006
11)加藤守匤:運動前の前頭前皮質における血流変化からみた脳の賦活.体育の科学 52:956-959,2002
12)岡野文雄:生活機能向上のためのリハビリテーション.PTジャーナル 38:523-528,2004
13)柳澤信夫(監修)・財団法人長寿科学振興財団(編):老年期痴呆の克服をめざして,p196,医学書院,2004
14)松田晋哉:地域で展開する介護予防―活動の継続とその動機づけ.総合ケア 15:12-17,2005
15)吉尾雅春:課題志向型アプローチにおける身体と環境.PTジャーナル 37:839-844,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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