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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル41巻8号

2007年08月発行

文献概要

症例報告

一側下腿切断を含む重複障害をもった症例のリハビリテーション

著者: 宮坂由佳理1 藤沢美由紀1 松田英希12 山中崇13

所属機関: 1倉敷リハビリテーション病院 2現:川崎リハビリテーション学院 3現:川崎医科大学附属病院

ページ範囲:P.687 - P.690

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 近年,下肢切断の原因として各種の血管疾患が増加している.さらに,高齢社会の到来とともに多くの合併症をもつ下肢切断例も増えている.高齢下肢切断者の一般的な問題として,切断端を含めた残肢の問題,心肺機能の問題,筋力の問題,疾患による内部障害,中枢神経障害,末梢神経の合併症などがある.そのため義足装着や,歩行練習は難渋することが多く,実用的な歩行に至らないことも多い1)

 今回,筆者らは,閉塞性動脈硬化症(以下,ASO)による一側下腿切断に加え,両大腿骨頸部骨折による人工骨頭置換術,慢性閉塞性肺疾患(COPD)である肺気腫による在宅酸素療法など,重複した障害をもちながら,義肢に特別な工夫を加えることで,ほぼ自立した義足歩行を獲得し,さらに日常生活動作(以下,ADL)能力,精神活動が向上した症例を経験したので報告する.

参考文献

1)河津隆三,他:末梢循環障害による切断者.総合リハ 29:603-608,2001
2)細田多穂:Q & A・フローチャートによる下肢切断の理学療法,第2版,p38,医歯薬出版,1994
3)川村次郎,他:義肢装具学,第2版,p33,pp53-73,pp164-165,医学書院,2001
4)杉山宏行,他:歩行が自立した左大腿骨頸部骨折と右下腿切断の高齢重複障害の1症例.総合リハ 29:557-559,2001
5)陶山哲夫,他:切断のリハビリテーション―知っておきたい全プロセス―,第3版,pp181-194,協同医書,2002
6)長倉祐ニ,他:重複障害を伴う下肢切断者に対する理学療法.PTジャーナル 23:695-701,1989
7)新妻 晶:高齢切断者に対する義足装着訓練.PTジャーナル 23:681-687,1989
8)星 永剛,他:血管原性切断者に対する理学療法とその目標設定.PTジャーナル 23:675-679,1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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