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特集 骨関節疾患の理学療法とバイオメカニクス
腰痛症に対する理学療法とバイオメカニクス―前屈型腰痛症に対する評価と運動療法
著者: 鈴木貞興1 大野範夫1 筒井廣明2
所属機関: 1昭和大学藤が丘リハビリテーション病院リハビリテーション部 2昭和大学藤が丘リハビリテーション病院整形外科
ページ範囲:P.853 - P.861
文献購入ページに移動本稿に与えられた課題は,非特異的腰痛(腰痛症:構造上の破綻や明確な病態の存在を限定しない)の治療課題や理学療法メカニズム,効果などについて,バイオメカニクスの視点で運動療法の根拠を説明することである.
腰痛症には,前屈型の他に後屈型,回旋型,混合型など様々なタイプが存在する.体幹前屈運動は,起き上がり,立ち上がり,前方へのリーチなど日常生活動作に多く含まれる運動要素であり,お辞儀位から体幹を再度起き上がらせる際に腰痛を呈するケースをよくみかける.このタイプでは体幹を最大前屈位から引き起こす際の伸展運動にのみ問題があるのではなく,運動初期に体幹を前屈するプロセスにおいて,すでに問題を内在していることが少なくない.そのため,腰痛症に対する理学療法を展開する上で,前屈運動について分析を行い,腰痛発生に関わっているであろう運動機能的な問題を推察することは非常に重要である.
本稿では,不適切な身体運動のために,機械的ストレスが腰部へ加わることで発生するタイプのうち,特に前屈型腰痛症にフォーカスをあて,立位体幹前屈運動のバイオメカニクス,適切な前屈運動に必要な因子と評価のポイント,運動療法のアウトラインについて述べる.
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