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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル42巻2号

2008年02月発行

文献概要

特集 痛みの病態生理と理学療法

痛み・しびれの病態生理と臨床評価

著者: 植村研一123

所属機関: 1浜松医科大学 2横浜市病院経営局 3横浜市立脳血管医療センター

ページ範囲:P.95 - P.104

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はじめに

 患者を最も苦しめる痛み・しびれに適切に対処するには,痛み・しびれの病態生理を理解し,的確な診察・臨床評価によって患者の訴えと病態を理解した上で,機能的脳神経外科手術を含めた適切な治療法とケアを選択することが重要である.本稿では,筆者の40年以上にわたる臨床経験に基づいた痛み・しびれの病態生理と各種の治療法をわかりやすく解説する.さらに詳細な解説は成書1)を参照していただきたい.


●感覚,知覚,認知の定義

 末梢の感覚受容器が刺激された結果として,神経信号が中枢神経内を上行する過程を感覚(sensation)と呼び,それが大脳皮質の一次感覚領野に到達して意識された時に知覚(perception)と呼び,さらにその意味を理解した時に認知(cognition)と呼ぶ.日本語を知らない外国人が日本字を見たら,「知覚」はできても「認知」はできない.

参考文献

1)植村研一:頭痛・めまい・しびれの臨床―病態生理学的アプローチ,医学書院,1987
2)牧野博安,植村研一,山浦 晶:頑痛症に対する脳神経外科的手術の進歩について.千葉医会誌 44:232-239,1968
3)高田明和,森田之大,東儀英夫(編):医科臨床生理学,第2版,医歯薬出版,1993
4)植村研一:脳神経外科臨床よりみた記憶と知能.臨床薬理 23:419-420,1992
5)石島武一:幻肢痛.Clin Neurosci 20:1156-1157,2002
6)Foltz EL, White LE Jr:Pain“relief”by frontal cingulumotomy. J Neurosurg 19:89-100, 1962
7)森本昌宏(編):ペインクリニックと東洋医学,真興交易,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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