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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル42巻2号

2008年02月発行

文献概要

入門講座 運動療法の基本中の基本・2

筋力トレーニングの基本

著者: 木藤伸宏1 岡西奈津子1 山崎貴博1 加藤浩2

所属機関: 1広島国際大学保健医療学部 2吉備国際大学保健科学部

ページ範囲:P.135 - P.146

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はじめに

 われわれ理学療法士は,身体運動をオイラーモデルで表現し,肢節や体節の運動を起こす要因として,筋の機能的一側面である「筋力」を重要視してきた.近年,その枠組みがオイラーモデルから運動制御モデルに置き換えられ,筋力より運動制御における筋機能の協調性が重要視される傾向になっている1).筋機能の協調性とは,力の要素,空間的要素,時間的要素からなる2)

 筋力維持と強化のための治療法は,関節可動域運動とともに身体機能障害に対する理学療法の2大治療手技として臨床で用いられている.近年,筋に関する優れた基礎研究や臨床研究が数多く発表され,新たな知見も得られている.しかしながら,最新の知見も重要であるが,過去に報告されている理論や技術を振り返ることで,新たな発見を得ることもできよう.本稿では,筋力トレーニングおよび筋持久力増強に関する基礎理論をQ & A方式で解説する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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