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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル42巻3号

2008年03月発行

文献概要

短報

脳卒中片麻痺患者の歩行障害に対するビデオ学習効果についての検討

著者: 河合麻美1 山本健詞2 久保通宏1 古谷信之1 後藤博1 柴崎克冶3

所属機関: 1さいたま赤十字病院リハビリテーション科 2さいたま赤十字病院神経内科 3国家公務員共済立川病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.221 - P.225

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要旨:脳卒中片麻痺患者の歩行イメージの再学習を目的として,発症から平均35.5日目の18名の患者を対象とし,健常人の歩行を撮影したビデオを観察してもらい,その前後の歩容変化について比較検討した.歩容変化の指標として用いた体軸偏位は3.5±1.6°から1.5±1.5°へ,片脚立脚期時間左右比は1.37±0.20から1.16±0.20とそれぞれビデオ観察後に有意な改善を認めた.またビデオ観察後の対象患者の主観的な感想は「目標が分かりやすくなった」などの前向きな発言が多く,本法は脳卒中片麻痺患者の歩行イメージの再構築を行う上で,理学療法の一環として有用な方法である可能性が示唆された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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