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特集 認知運動療法の臨床アプローチと効果
症例報告:高次脳機能障害を伴う片麻痺に対する認知運動療法
著者: 岩崎正子1
所属機関: 1東京都立大塚病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.271 - P.276
文献購入ページに移動はじめに
認知運動療法では,外部から観察される運動の異常は生物学的な病理による認知過程の異常が引き起こした“結果”と考え,高次脳機能障害も通常の身体運動も,認知過程を経て出現する脳の活動の結果であると捉えている.同じ病態であっても,どのような理論に立脚するのか,どの視点から分析するのかによって,病態に対する解釈の仕方は異なってくる.本稿では,高次脳機能障害のうち失行症を取り上げ,認知運動療法理論に基づき,セラピストが機能の再獲得に向けた学習の仲介者として患者とどのように向き合い臨床を展開していくのかについて述べる.
認知運動療法では,外部から観察される運動の異常は生物学的な病理による認知過程の異常が引き起こした“結果”と考え,高次脳機能障害も通常の身体運動も,認知過程を経て出現する脳の活動の結果であると捉えている.同じ病態であっても,どのような理論に立脚するのか,どの視点から分析するのかによって,病態に対する解釈の仕方は異なってくる.本稿では,高次脳機能障害のうち失行症を取り上げ,認知運動療法理論に基づき,セラピストが機能の再獲得に向けた学習の仲介者として患者とどのように向き合い臨床を展開していくのかについて述べる.
参考文献
1)Liepmann H:Apraxia. Ergeb Ges Med 1:516-543, 1920
2)浜中淑彦:失行の概念・検査法・分類・症状.精神科MOOK 1:50-58,金原出版,1982
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