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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル42巻4号

2008年04月発行

文献概要

特集 認知運動療法の臨床アプローチと効果

脳性麻痺児に対する認知運動療法の臨床アプローチと効果

著者: 人見眞理1

所属機関: 1重症心身障害児施設ソレイユ川崎リハビリテーション部

ページ範囲:P.291 - P.296

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はじめに

 「脳性麻痺」という障害像について旧来の方法論にとらわれずに考えてみると,そもそも彼らが積み重ねている日々の経験が,「健常」と言われている子どもたちのそれとは質が違うということに思い至る.経験の質が違うというのは,単に量的にあるいはバリエーションとして不足しているというだけでなく,そこから創発される,自分自身や他者,外界,あるいはそれらの関係性についての彼ら自身の了解の作られ方が違うということである.したがって,彼らの障害を改善する方向性を目指すためには,彼らの経験の質を知ることから始めなければならない.本稿では,その手がかりを得て,アプローチを組み立て,実施するという,セラピスト側の一連の思考プロセスを中心に述べる.

参考文献

1)Rosenzweig MR, et al:Brain changes in response to experience. Sci Amer 226:22-30, 1972
2)森岡 周:リハビリテーションのための脳・神経科学入門,pp24-26,協同医書,2005
3)Perfette C,他(著),小池美納(訳):運動機能再教育の新しいパラダイム 認知運動療法,協同医書,1998
4)Popper KR(著),大内義一(訳):科学的発見の論理,恒星社厚生閣,1971
5)河本英夫:オートポイエーシスの拡張,青土社,2000
6)Bateson G(著),佐藤良明(訳):精神の生態学,新思索社,2000
7)人見眞理:小児期の脳損傷に対するリハビリテーション―認知運動療法とともに(総論).認知運動療法研究 6:64-80,2006
8)Vygotsky LS(著),土井捷三,他(訳):「発達の最近接領域」の理論,三学出版,2003
9)Atkinso J(著),金沢 創,他(監訳):視覚脳が生まれる,北大路書房,2005
10)河本英夫:システム現象学―オートポイエーシスの第四領域,新曜社,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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