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短報
姿勢反射による頸部伸展抑制を目的とした誤嚥防止ヘッドレストの試作
著者: 柴田卓1
所属機関: 1社会福祉法人緑星の里 身体障害者療護施設ライフウィング
ページ範囲:P.349 - P.353
文献購入ページに移動 要旨:反復性に誤嚥性肺炎を発症している脳性麻痺者に対し,その予防を図る目的で誤嚥防止ヘッドレストを作成した.対象者は,脳性麻痺による四肢麻痺者で,食事時に姿勢反射により頸部が伸展するために誤嚥を引き起こし,それにより誤嚥性肺炎が誘発されると考えられた.そこで,誤嚥防止ヘッドレストを使用し,頸部の伸展を抑制させ,誤嚥性肺炎の予防を図った結果,むせ回数,姿勢反射出現回数,大きいむせを有意に抑制する効果があり,誤嚥を減少させる効果があると考えられた.また,誤嚥防止ヘッドレストを使用する以前の12か月と,使用後12か月の肺炎による入院回数と日数を比較検討したところ,回数,日数とも有意に減少していた.
参考文献
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