文献詳細
文献概要
入門講座 運動療法の基本中の基本・5
動作練習の基本
著者: 竹中弘行1
所属機関: 1湯河原厚生年金病院リハビリテーション室
ページ範囲:P.411 - P.420
文献購入ページに移動はじめに
診療報酬においてリハビリテーション料の算定上限が設けられ,病棟における日常生活動作へのセラピストの関与が増加している.われわれセラピストには,機能的治療場面のみならず,日常生活動作の指導場面において動作の特徴を分析し,残存能力を引き出しうる環境設定や課題を選択すること,そして,患者の環境の一部として介入し,患者が行為の質的多様性を獲得していけるよう援助ができる治療技術が求められている1).
これらを実現するために,われわれセラピストは患者の動作の特徴を知ると同時に,自分自身の知覚システム2,3)の精度を高め,患者の傾向に合わせて探索的に動ける運動の多様性を獲得することが必要である.
本稿では,動作練習の基本として,セラピストが行う治療的誘導に視点を置き,設問に対して解説する4~6).
診療報酬においてリハビリテーション料の算定上限が設けられ,病棟における日常生活動作へのセラピストの関与が増加している.われわれセラピストには,機能的治療場面のみならず,日常生活動作の指導場面において動作の特徴を分析し,残存能力を引き出しうる環境設定や課題を選択すること,そして,患者の環境の一部として介入し,患者が行為の質的多様性を獲得していけるよう援助ができる治療技術が求められている1).
これらを実現するために,われわれセラピストは患者の動作の特徴を知ると同時に,自分自身の知覚システム2,3)の精度を高め,患者の傾向に合わせて探索的に動ける運動の多様性を獲得することが必要である.
本稿では,動作練習の基本として,セラピストが行う治療的誘導に視点を置き,設問に対して解説する4~6).
参考文献
1)冨田昌夫:標準理学療法学 臨床動作分析,pp120-130,医学書院,2001
2)三嶋博之:エコロジカル・マインド,日本放送出版協会,2000
3)佐々木正人:アフォーダンス 新しい認識の理論,岩波書店,1994
4)竹中弘行:評価から治療手技の選択,中枢神経疾患編,pp156-168,文光堂,2006
5)竹中弘行:生活の中における動作分析とアプローチ.理学療法学32:288-293,2005
6)竹中弘行:治療で何を考えるのか.神奈川県士会会報29:10-14,2001
7)柏木正好:環境適応,青海社,2004
8)冨田昌夫:環境と理学療法,pp88-98,医歯薬出版,2004
9)Klein-Vogelbach S:Functional Kinetics, Springer-Verlag, New York 1989
10)佐々木正人:からだ,認識の原点,東京大学出版会,1987
11)JJギブソン:生態学的視覚論,サイエンス社,1985
12)大竹 朗:評価から治療手技の選択 中枢神経疾患編,pp363-376,文光堂,2006
13)Davies PM(著),冨田昌夫,他(訳):ステップス・トゥ・フォロー,pp341-361,シュプリンガー・フェアラーク東京,2005
14)竹中弘行,他:臨床動作分析研究会講習会資料,2000-2007
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