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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル42巻6号

2008年06月発行

文献概要

特集 Stroke Unitと理学療法 わが国のStroke Unitにおける理学療法

3.脳卒中診療部における理学療法士の役割

著者: 髙見彰淑1

所属機関: 1秋田県立脳血管研究センター脳卒中診療部

ページ範囲:P.491 - P.496

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はじめに

 脳卒中診療部(strokology)とは,脳卒中患者の治療に対し,従来の診療科の垣根を越えて編成された専門職チームである.秋田県立脳血管研究センター(以下,秋田脳研)では,1969年の開設当初から,脳疾患集中治療室(neurological intensive care unit;以下,NCU)と称する現在の脳卒中診療部の原型ともいえる部門で,内科,外科が共同診療を行ってきた.その後,診療レベルの高度専門化に伴い,共同診療はほとんど行われなくなっていた.しかしある時期から,脳卒中治療における共通の課題解決にあたり,診療科を越えたチーム医療の必要性が再び議論され,約2年の準備期間を経て,1997年に脳神経外科医と神経内科医がスタッフとなり脳卒中診療部が開設された1~3).同時にNCUはstroke care unit(以下,SCU)と改称し,脳卒中診療部で運営することになった.その後,全身合併症に対応する循環器内科医と,1999年には早期リハビリテーションを担う理学療法士がチームに加わった.

 Stroke unitおける治療,早期リハビリテーションの有効性については,Indredavikら4)のrandomized controlled trial(RCT)報告などにより立証されている.本稿では,秋田脳研での脳卒中診療部の活動内容とともに,早期リハビリテーションを中心とした理学療法部門の役割について紹介する.

参考文献

1)鈴木明文(編):脳卒中治療マニュアル,南江堂,2006
2)髙見彰淑:脳卒中診療部での理学療法士の役割―リハビリテーション上での医師,看護師との協力.脳外科看護 2:122-128,2003
3)鈴木明文,他:Stroke Care Unitと脳卒中診療部.脳卒中 22:556-559,2000
4)Indredavik B, et al:Benefit of a stroke unit:a randomized controlled trial. Stroke 22:1026-1031, 1991
5)Stand T, et al:Stroke stroke unit care-who benefit? Comparisons with general medial care in relation to prognostic indicators on admission. Stroke 17:377-381, 1986
6)Stroke Unit Trialists' Collaboration:How do stroke units improve patient outcomes? A collaborative systematic review of the randomaized trials. Stroke 28:2139-2144, 1997
7)脳卒中治療ガイドライン2004(http://www.jsts.gr.jp/jss08.html.2004)
8)千田富義,髙見彰淑:リハ実践テクニック―脳卒中,メジカルビュー社,2007
9)髙見彰淑:脳卒中の病期別理学療法ガイドライン.理学療法 19:7-14,2002
10)髙見彰淑,鈴木明文:Stroke Care Unitでの脳卒中医療とリハビリテーションの実際―脳出血およびくも膜下出血について.MB Med Reha 66:24-30,2006
11)髙見彰淑:意思決定要因としての課題解決プロセス―評価指標選択時の課題解決.理学療法学 31:244-247,2004
12)ISLSコースガイドブック編集委員会:ISLSコースガイドブック,へるす出版,2006
13)髙見彰淑:意識障害の検査・評価.理学療法 20:7-13,2003
14)脳卒中地域医療におけるインディケーターの選定と監査システム開発に関する研究(http://www.stroke-ind.jp/)
15)Kalra L, et al:An integrated system for multidisciplinary assessment in stroke rehabilitation. Stroke 25:2210-2214, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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