文献詳細
文献概要
特集 介護保険下の理学療法
医療から介護への移行と課題
著者: 浜村明徳1
所属機関: 1医療法人共和会小倉リハビリテーション病院
ページ範囲:P.639 - P.647
文献購入ページに移動はじめに
2006年度の診療報酬と介護報酬の同時改定で,医療保険においては急性期・回復期,介護保険では維持期のリハビリテーション(以下,リハ)を担うという役割分担が行われた.しかし,地域間や保険制度間のリハ提供量の格差などの問題から,継続したリハが提供されにくいという意見を考慮して,2007年度には,維持期におけるリハ診療報酬の改定が行われた.2008年度の診療報酬改定では,2010年までに限って,疾病別に13単位/月とする維持期のリハ料が認められた.これは,2009年度の介護報酬改定を見込んだ設定であると考えられる.
医療から介護への移行(つなぎ)では,まず,どのようなリハ的対応が期待され,実施されるべきなのかが問われ,次に,それを実践する仕組み・制度が課題となる.現状は,実践と仕組みの双方に課題があり,移行がうまくいっていないケースが多くみられる.
現在,老人保健健康増進等事業による研究事業が行われ,それらの結果を踏まえた提案も整理されつつある.本稿では,研究事業の結果などから,医療から介護への移行に関する課題について私見を述べる.
2006年度の診療報酬と介護報酬の同時改定で,医療保険においては急性期・回復期,介護保険では維持期のリハビリテーション(以下,リハ)を担うという役割分担が行われた.しかし,地域間や保険制度間のリハ提供量の格差などの問題から,継続したリハが提供されにくいという意見を考慮して,2007年度には,維持期におけるリハ診療報酬の改定が行われた.2008年度の診療報酬改定では,2010年までに限って,疾病別に13単位/月とする維持期のリハ料が認められた.これは,2009年度の介護報酬改定を見込んだ設定であると考えられる.
医療から介護への移行(つなぎ)では,まず,どのようなリハ的対応が期待され,実施されるべきなのかが問われ,次に,それを実践する仕組み・制度が課題となる.現状は,実践と仕組みの双方に課題があり,移行がうまくいっていないケースが多くみられる.
現在,老人保健健康増進等事業による研究事業が行われ,それらの結果を踏まえた提案も整理されつつある.本稿では,研究事業の結果などから,医療から介護への移行に関する課題について私見を述べる.
参考文献
1)日本リハビリテーション病院・施設協会:リハビリテーションの効果的な実施に関する検討事業(医療保険から介護保険への円滑な移行検討事業)報告書,平成18年度厚生労働省老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分),日本リハビリテーション病院・施設協会,2007
2)日本リハビリテーション病院・施設協会:リハビリテーションの効果的な実施に関する検討事業(医療保険から介護保険への円滑な移行検討事業)報告書,平成19年度厚生労働省老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分),日本リハビリテーション病院・施設協会,2008
3)日本リハビリテーション病院・施設協会:高齢者リハビリテーション医療のグランドデザイン,青海社,2008
掲載誌情報