文献詳細
文献概要
特集 介護保険下の理学療法
介護予防と運動器の機能向上
著者: 大渕修一1
所属機関: 1東京都老人総合研究所介護予防緊急対策室
ページ範囲:P.657 - P.663
文献購入ページに移動はじめに
介護予防とは,高齢者が要介護状態に陥ることなく健康でいきいきとした生活を送れるように支援することである.また,既に要介護状態である場合に,重度化を予防することも介護予防である.介護予防は,2000年の介護保険法施行と同時に制度化され,実施されてきたが,2006年の介護保険法改正により,介護保険制度は予防重視型システムへと転換し,介護予防のさらなる推進が図られることとなった.
この制度改正により,高齢者人口が増加するペースを大きく上回っていた要介護認定者の増加数も,適正水準に向かっている.また,内閣府の策定した新健康フロンティア戦略の中でも,現在,高齢者の7人に1人を占める要介護者を,2014年までに10人に1人にするという具体的な数値目標を掲げており,一層の介護予防推進が国家的に図られることとなっている.理学療法士にとっては,医療の中心が病院から地域へと移行されつつあること,心身機能の低下を介入の対象とすることから,介護予防分野についても積極的な関わりが求められている.本稿では,介護予防の中でも理学療法との関わりが深い運動器の機能向上について概観する.
介護予防とは,高齢者が要介護状態に陥ることなく健康でいきいきとした生活を送れるように支援することである.また,既に要介護状態である場合に,重度化を予防することも介護予防である.介護予防は,2000年の介護保険法施行と同時に制度化され,実施されてきたが,2006年の介護保険法改正により,介護保険制度は予防重視型システムへと転換し,介護予防のさらなる推進が図られることとなった.
この制度改正により,高齢者人口が増加するペースを大きく上回っていた要介護認定者の増加数も,適正水準に向かっている.また,内閣府の策定した新健康フロンティア戦略の中でも,現在,高齢者の7人に1人を占める要介護者を,2014年までに10人に1人にするという具体的な数値目標を掲げており,一層の介護予防推進が国家的に図られることとなっている.理学療法士にとっては,医療の中心が病院から地域へと移行されつつあること,心身機能の低下を介入の対象とすることから,介護予防分野についても積極的な関わりが求められている.本稿では,介護予防の中でも理学療法との関わりが深い運動器の機能向上について概観する.
参考文献
1)厚生労働省:平成16年国民生活基礎調査.http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa04/index.html
2)Fiatarone MA, et al:High-intensity strength training in nonagenarians. JAMA 263:3029-3034, 1990
3)Fiatarone MA, et al:Exercise training and nutritional supplementation for physical frailty in very elderly people. N Engl J Med 330:1769-1775, 1994
4)大渕修一,他:介護予防としての高負荷筋力増強訓練の応用に関する調査事業,平成12年度老人保健健康増進等事業報告書
5)芳賀 博:健康長寿と運動,長寿科学振興財団,p123,2006
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