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文献概要
講座 補装具の開発変遷・3
プラスチックAFOの開発変遷
著者: 島津尚子1 畠中泰司1
所属機関: 1公立大学法人横浜市立大学附属病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.695 - P.703
文献購入ページに移動はじめに
短下肢装具(以下,AFO)の材料として,従来は金属や皮革が使用されていたが,1967年にSimonsら1)によりプラスチックが取り入れられて以降,プラスチックはAFOの主材料として多く利用されている.わが国では,1975年の有薗2)によるオルソレンを使用したAFOの報告が最も古く,その後,プラスチックの素材やAFOの種類の多様化に伴い多くの報告がなされてきた.
本稿では,AFOの機能の説明と代表的なプラスチックAFOの紹介,臨床場面で最も使用頻度の高い脳卒中片麻痺者における使用方法について述べる.
短下肢装具(以下,AFO)の材料として,従来は金属や皮革が使用されていたが,1967年にSimonsら1)によりプラスチックが取り入れられて以降,プラスチックはAFOの主材料として多く利用されている.わが国では,1975年の有薗2)によるオルソレンを使用したAFOの報告が最も古く,その後,プラスチックの素材やAFOの種類の多様化に伴い多くの報告がなされてきた.
本稿では,AFOの機能の説明と代表的なプラスチックAFOの紹介,臨床場面で最も使用頻度の高い脳卒中片麻痺者における使用方法について述べる.
参考文献
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