icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル42巻9号

2008年09月発行

文献概要

とびら

Identity

著者: 山田英司1

所属機関: 1香川大学医学部附属病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.721 - P.721

文献購入ページに移動
 今年の1月,尊敬する先生のお誘いでオーストラリアに研修に行った.私にとって,初めて外国の理学療法に生で触れる機会だった.まず,大学の教員による腰痛に関する研修を受けたが,予想通り徒手療法の色が前面に出た評価方法,治療方針であった.また,町を歩くと至る所に“Physio”という看板があり,開業している理学療法士にも話を聞くことができた.そこで出会った理学療法士からは,病院とは何か違う,自信と厳しさを感じた.そして,施設内にピラティスのスタジオがあり,そこのインストラクターが「私はコア担当よ」と言っていたのが印象的であった.

 先日,外国のボディワーカーの研修を受けた.彼らは,理学療法士とはまったく違う視点から身体の動きを観察していた.そして,自ら動くことで自分の体を感じることと,運動イメージの重要性を学んだ.講師の話の中で,「例えば車の役割はみんな知っているし,その構造が分かっているから使用説明書があって,それを見ることにより車を効率的に使ったり,壊れないようにメンテナンスをしたり,壊れた時には修理することができる.でも,人間の関節や内臓には生まれた時に説明書がついていないので,その構造と役割を自ら理解しなければ障害の予防や治療はできない」という言葉が頭に残った.最近,世の中の人々がピラティスやヨガなどの様々なエクササイズメソッドに興味を持ち,積極的に参加している理由が少し分かったような気がした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?