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講座 医療機器の活用と安全管理・1【新連載】
理学療法機器と安全管理
著者: 山野薫1
所属機関: 1姫路獨協大学医療保健学部理学療法学科
ページ範囲:P.67 - P.72
文献購入ページに移動理学療法機器の安全管理は,①保守管理(保守点検作業と修理作業),②感染対策と管理(理学療法機器が感染媒体となる可能性とその対策),③使用に関する安全管理(正確で安全な使用方法と教育研修)に分類される.
保守管理には保守点検作業と修理作業が含まれるが,前者の保守点検は重要な理学療法業務の1つである.適切な保守管理を遂行するうえで,保守点検マニュアル,機器管理台帳,チェックリスト,点検/修理履歴などの作成・記録と,それに沿った適切な点検実施が求められる1).また,後者の修理作業については,各種理学療法機器の修理そのものを理学療法士が行うことはできないが,故障の発見から修理完了までの流れを理解しておく必要がある.
理学療法室は,入院患者と通院患者,また複数の診療科の患者が使用することから,感染症発生の媒体になりやすい.そのため,的確な感染症予防策が必要なことは言うまでもない.例えば,院内で感染症が発生した場合を想定した部門としての対策(理学療法室そのものや機器の使用制限の設定など)が求められる.
理学療法機器の正しい使用は,理学療法の再現性や安全性を高めるとともに,患者を守るためであることを念頭に,使用に際しての順守点,注意点を確認する必要がある.
本稿では,安全管理の考え方と一般的な理学療法機器の管理の注意点や保守点検の方法について解説する.
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