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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル43巻1号

2009年01月発行

文献概要

臨床実習サブノート 知っておきたい理学療法評価のポイント・7

肩腱板損傷患者を担当した時

著者: 伊藤郁恵1 塚本利昭1 石橋恭之2 佐藤英樹3

所属機関: 1弘前大学医学部附属病院リハビリテーション部 2弘前大学大学院整形外科 3青森労災病院整形外科

ページ範囲:P.73 - P.80

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はじめに

 腱板損傷は不全断裂と完全断裂に分けられる.原因としては,加齢による変性や外傷,スポーツ障害などが挙げられ,疼痛の強い症例や上肢の挙上が困難な症例では手術適応となることが多い.腱板断裂の場合は保存療法での治癒は期待できないが,適切な運動療法による残存腱板の機能向上により,肩関節の機能改善が図られる.

 腱板機能が低下すると,肩の疼痛や肩甲帯・体幹の代償動作,二次的な機能障害(筋の過剰収縮や肩甲骨の可動性低下など)を生じやすい.理学療法では,この悪循環を予防・改善することが大切であり,肩の解剖や運動学を熟知したうえで評価と治療を行わなければならない.

 本稿では,基本的な肩・腱板についての解剖・運動学を再確認し,適切なアプローチに結びつけるための評価と考え方について述べる.臨床では,評価と治療は表裏一体であり,治療的介入による反応を注意深く観察することが大切である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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