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特集 地域の高齢者に対する理学療法士の視点
介護予防事業を通した町づくりに貢献する理学療法士の視点
著者: 滝本幸治1 宮本謙三1 宅間豊1 井上佳和1 宮本祥子1 竹林秀晃1 岡部孝生1 松村千賀子2
所属機関: 1土佐リハビリテーションカレッジ理学療法学科 2香南市役所高齢者介護課
ページ範囲:P.983 - P.988
文献購入ページに移動2006年の改正により,介護保険は総合的な予防重視型システムへの転換が図られた.同時に,地域における総合的なマネジメントを担う総合機関として地域包括支援センターが創設され,地域支援事業として介護予防事業を行うことになった.この介護予防事業の対象は,一般(元気)高齢者および特定(虚弱)高齢者であり,要支援・要介護状態でないすべての高齢者が含まれる.現在,本邦の高齢化率は22.1%(2008年10月1日時点)であり,総人口が減少に転じても高齢化率が上昇を続けると推計されているが1),このような状況の中,「町づくり」においては高齢者がいかに活き活きと過ごせるかという視点が欠かせない.そのために重要なのは,「高齢者の生活圏域内で必要なサービスを提供・完結させること」2)と「高齢者を中心とした地域住民の主体的な参加」3)である.
以上のような背景の下,われわれはこれまで高知県香南市において介護予防事業に携わってきた注).具体的には,①高齢者健康診査(以下,高齢者健診),②介護予防運動教室,③自主運動グループ支援,④リーダー育成などであり,自治体とともに社会福祉協議会や地域スポーツクラブ(NPO)なども必要に応じて役割を担ってきた.本稿では,同市の概況を踏まえた上で,取り組みの概要とともに,理学療法士が介護予防事業を通して町づくりにどのように貢献できるのか私見を述べる.
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