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特集 不全型脊髄損傷の病態と理学療法
不全型脊髄損傷者の疫学と病態
著者: 古澤一成1 德弘昭博1
所属機関: 1吉備高原医療リハビリテーションセンターリハビリテーション科
ページ範囲:P.187 - P.193
文献購入ページに移動高齢化社会の到来に伴って,リハビリテーション(以下,リハ)医療の現場でも,あらゆる疾病において「高齢化」と「重度化」の波が押し寄せているのを感じる.脊髄損傷も例外ではなく,今や高齢者の受傷と不全損傷者の増加,重度化の傾向が,社会復帰を阻害する因子として大きな比重を占めている印象がある.このような状況にあって,われわれが行うべきことは,まず脊髄損傷の“Japanese problem”を正確に把握することであり,それによって適切な対応をとることができる.
本稿では,全国脊髄損傷データベースから,不全型脊髄損傷(以下,不全損傷)の特徴について完全損傷と比較しながら述べる.また,過去10年間のデータを前半と後半に分けて分析し,脊髄損傷の最近の傾向を示すことで,上記の問題をより明確にしたい.
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