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特集 小児の地域理学療法
肢体不自由児施設における小児の理学療法―当園におけるリハビリテーションの現状と今後の課題
著者: 中嶋信太郎1
所属機関: 1大阪赤十字病院附属大手前整肢学園訓練課
ページ範囲:P.399 - P.405
文献購入ページに移動わが国の肢体不自由児施設は,東京大学医学部整形外科名誉教授であった高木憲次先生がドイツのクリュッペルハイムという身体障害者の施設を見聞され,日本にも社会医学的視点や教育から社会参加に至る総合リハビリテーションにつながる施設が必要であるとして,1942年に「東京整肢療護園」を開設されたことに始まる.その後,1970年代前半にかけて,肢体不自由児施設は全国の都道府県に配置され,肢体不自由児の機能改善医療が発達してきた.
当園は,1967年に大阪赤十字病院分院の跡地である大阪市法円坂に,大阪府が日本赤十字社に経営委託する形態の肢体不自由児施設として開設された.当時は,「大阪府立大手前整肢学園」という名称であった.その後,2004年に現在の大阪赤十字病院東館1~3階に移転し,肢体不自由児施設に加えて,重症心身障害児施設を併設する形態となった.2007年には大阪府から大阪赤十字病院に移管され,名称も「大阪赤十字病院附属大手前整肢学園」と変更されて現在に至っている.
今回,筆者に与えられたテーマは「肢体不自由児施設における小児の理学療法」であるが,言うまでもなくリハビリテーションに関しては多くの専門スタッフの関わり合いが必要不可欠である.そこで今回は理学療法に限局することなく,当施設のリハビリテーション全体の特徴と今後の課題を中心に紹介していきたい.
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