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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル43巻6号

2009年06月発行

文献概要

講座 ガイドライン・3

頚椎症性脊髄症診療ガイドライン

著者: 里見和彦1 佐野秀仁1 高橋雅人1 長谷川雅一1 市村正一1

所属機関: 1杏林大学医学部整形外科

ページ範囲:P.543 - P.549

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はじめに

 頚椎の経年的変化(骨棘形成,靱帯肥厚,椎間板狭小と膨隆など)により脊髄が圧迫され,四肢のしびれや筋力低下,歩行障害,排尿障害などを呈する頚椎症性脊髄症(cervical spondylotic myelopathy:以下,CSM)は,高齢化社会を迎えて増加している.その保存療法あるいは術後療法としては,頚椎牽引,理学療法士による筋力増強運動,歩行練習,日常生活動作練習や作業療法士による手指のトレーニングなどが行われている.

 日本整形外科学会では,CSMの病態,診断から治療まで一般に行われている事柄1)が,質の高い新しい医療情報(EBM:evidence based medicine)に基づいているのかを検証するために,2005年に診療ガイドラインを策定した2).本稿では,ガイドラインの目的,意義などを含め,本ガイドラインの内容,問題点などを解説する.

参考文献

1)里見和彦,他:頚椎症性脊髄症の手術療法.神経進歩 37:285-297,1993
2)日本整形外科学会:頚椎症性脊髄症診療ガイドライン,南江堂,2005
3)中山健夫:EBMを用いた診療ガイドライン,作成・活用ガイド,pp11-22,金原出版,2004
4)日本整形外科学会:手足のしびれ,歩きにくい症状がある方に―診療ガイドラインに基づいた頚椎症性脊髄症ガイドブック,南江堂,2007
5)小田裕胤:頚椎症―疫学・自然経過.NEW MOOK整形外科 6:22-29,1999
6)Yue WM, et al:The Torg-Pavlov ratio in cervical spondylotic myelopathy:a comparative study between patients with cervical spondylotic myelopathy and a nonspondylotic, nonmyelopathic population. Spine 26:1760-1764, 2001
7)Sakaura H, et al:C5 palsy after decompression surgery for cervical myelopathy:review of the literature. Spine 28:2447-2451, 2003
8)日本整形外科学会:頚椎後縦靱帯骨化症診療ガイドライン,南江堂,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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