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とびら
実体験が教えてくれること
著者: 小塚直樹1
所属機関: 1札幌医科大学保健医療学部理学療法学科
ページ範囲:P.563 - P.563
文献購入ページに移動理学療法学教育における臨床実習は,まさしく実体験そのものである.臨床実習中に多くの症例と出会うことは,最も効果的に学生の成長を促すと思う.私が学生だった時代の臨床実習は,時代背景的に「習うより慣れる」スタイルであり,多くの患者さんと巡り会うことができた.そして,様々な疾患,病態の患者さんの治療経験を積んでいくうちに,それなりの対応ができるようになっていった.教科書で時間をかけて機序を理解した歯車様固縮は,患者さんに日々他動運動を行うことによって,短時間で自分の中のリアルな感覚として理解することができた.時代は変わり,養成校の数が急増した現在,臨床実習の現場では習うことにも慣れることにも様々な限界があり,貴重な実体験の絶対量は減少する傾向にある.
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